適切なレイアウト_キッチンとホールの割合は?

キッチンはゆとりを持って造ったほうがいい理由とは

創業時、店舗のレイアウトをどうすればいいのか迷う方は多いでしょう。座席の配置やキッチンの場所、そしてキッチンとホールの割合などは専門性が高いため、何が適切なのか分からないケースもあると思います。また、やりたいデザインと機能面のバランスをどこで取るのかも大きな問題です。

限られた予算を割くからこそ、できる限りやりたいことを実現したいと考えるのも理解ができます。しかし、レイアウトには鉄則があるのも事実です。まずレイアウトについてはキッチンや客席の配置を決めた上で、デザイン性を追求していくようにしましょう。オペレーションが組みづらいレイアウトになってしまうと、余計な人件費がかかってしまったり、事故が起きてしまったりと、営業開始後、さまざまな不都合が起きる可能性が高まります。

デザインは我慢ができますが、機能面の不都合は我慢で乗り越えられる問題ではありません。オペレーションが非効率的だと、毎日のことなのでストレスも大きくなってしまいます。生産性が下がるとスタッフのモチベーションも上がらず、マネジメントの負担が大きくなってしまうでしょう。デザインは備品などで付け足すことはできます。しかし、機能面は変更できないからこそ非常に重要です。

キッチンとホールの比率は、業種・業態によって変わってきます。一般的に、キッチンやバックヤード、客用トイレなどの面積は、最低でも全体の35%は必要です。ただキッチンはある程度余裕をもった造りにすることをお勧めしています。営業を続ける中で、メニューを変更したり、調理器具を買い替えたり、設備を増やしたりすることもあるでしょう。開業時にギリギリのサイズでキッチンをつくってしまうと、その後、融通がきかなくなってしまいます。市場環境の変化も激しくなっているからこそ、将来的にメニューや業種・業態を変更する可能性も踏まえて、レイアアウトには余白を持たせておくといいでしょう。

中古でもいい厨房設備と、新品がいい厨房設備

キッチンのレイアウトでいうと、冷蔵庫をはじめとした厨房設備をどこで、どの程度そろえればいいのかといった問題もあります。開業資金は無限ではありません。限りがあるからこそ、有効に使いたいと思うのは当たり前です。

結論からいうと、厨房設備は中古でも問題ありません。最近、中古の質が向上していて、中には新品と変わらないものも多いです。特に、冷蔵庫やワークテーブルはある程度のメンテナンスができていれば、中古品で営業ができるでしょう。もしかしたら中古品の購入に抵抗を感じる方もいるかもしれません。しかし、近年では大手チェーン店でも、中古の厨房機器を活用して新業態を始めるパターンも増えています。質の高い業務用厨房機器を取りそろえた専門店もあるので、ぜひ覗いてみてください。

ただ例外として、洗浄機だけは新品で購入することお勧めしています。洗浄機は想像以上に壊れやすい機械です。使うたびに油汚れなどが付着するため、定期的に洗浄をしないと性能が落ちてしまいます。多くのチェーン店では毎日洗浄機をバラして洗浄を行っているほどです。だからこそ、メンテナンスが行き届いている中古品はそれほど多くはありません。もし壊れてしまったら、食器が廻らずお店の営業に大きな支障をきたしてしまいます。壊れるタイミングはピークの時間帯がほとんどですので、「転ばぬ先の杖」と考えていただければと思います。

次世代の店舗運営の必須設備「ブラストチラー」

さまざまある厨房設備の中で、お店の規模にもよりますが、開業時に導入をお勧めしているのが「ブラストチラー」です。最近、「ブラストチラー」を活用する飲食店が増えています。なぜなら「ブラストチラー」を使うと省人化と作業の標準化を実現できるからです。

そもそも「ブラストチラー」は、急速冷凍ができる機械で、調理したばかりの食品を一気に冷温にしてくれます。急速冷凍することで菌の増殖を防ぎ、食中毒の発生リスクも抑えることができるので非常に便利です。通常、飲食店はオーダーが入ってから調理を行い、料理を提供していますが、「ブラストチラー」を導入すると、空き時間に仕込みをしながら仕掛け品を作って冷凍しておくことができます。加熱をして提供することができるので、必ずしも調理スタッフが現場にいる必要がありません。オペレーションもとても楽になるので、3人で回していた営業を2人でできるようになるなど、導入先の飲食店で大きな成果を発揮しています。

現在、飲食業界は人手不足と人件費の高騰に悩まされているため、ある程度のスキルを持った調理人を雇用するのも至難の技です。加えて、そうした人材の獲得競争が起きているため、必然的に高い給与で雇う必要があります。しかし、「ブラストチラー」があれば、空き時間を効果的に使って仕込みができるため、何人も料理人を抱える必要がありません。コストを抑えて、一人の力を最大限に発揮でき、経営に与えるインパクトはとても大きいです。

また、冷凍ができるので、ある程度日持ちがします。飲食店の営業では、仕込みをしていたもののオーダーがなかったので廃棄しなければならないケースは多いです。ただ原材料費が高騰している今、安定した経営を続けるには極力ロスを減らしていく必要があります。発注で調整するのも一つの方法ですが、材料が多すぎたらロスが発生するのはもちろん、少な過ぎてもチャンスロスがあり、最適量を発注することはなかなか難しいのが現状です。そうした問題も「ブラストチラー」なら解決できるので、まさに時代にマッチした厨房機器だといえるのではないでしょうか。

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リースという第3の選択肢

中古品の他にも、厨房設備はリースでそろえるという手段があります。毎月の支払いが発生するため、ランニングコストはかかりますが、初期費用がおさえられるため、全てリースでそろえる飲食店も珍しくありません。飲食業界には有名なリース会社がいくつかあるため、そうした企業の力を借りるのも一つの選択肢です。

繰り返しになりますが、開業時に使える資金は有限です。何にどれだけお金をかけるかはオーナーが自ら優先順位を決めて判断をしないといけません。よくありがちな間違いは、先に内装工事にお金を使ってしまい、厨房機器をはじめとした設備に満足な投資ができなくなることです。実は、内装工事は工夫次第で費用が削減でき、内装そのものもお金をかける必要のないポイントがいくつもあります。そこにほとんどの開業資金を投入してしまうのは上手な資金配分とは言えません。

厨房設備は、毎日使うものなので、妥協したものを選んでしまうとストレスが大きくなってしまいます。とはいえ、新品でさまざまな設備をそろえたものの、いざ営業が始まってみたらあまり活用しないものがあったといったケースも少なくありません。ぜひ中古やリースなどをうまく活用しながら必要な設備をそろえていってください。

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