物件取得の流れやスケジュールを解説|物件探しから取得までどのくらいの期間が必要?
飲食店を成功させるための第一歩は「スケジュール管理」です。飲食店の新規開業には、計画検討から実際のオープンまでは概ね1年程度の期間が必要と言われています。
飲食店の開業対応のなかでも「物件取得」には多くの期間が必要となり、理想の物件を取得できるまで1年以上かかるケースもあります。
そのため、スムーズな飲食店開業のポイントは速やかな物件取得にかかっています。本記事では、物件取得をスムーズに進めるためのポイントや注意点などを物件取得の流れとあわせて解説します。
飲食店成功の第一歩はスケジュール管理から
飲食店の開業を検討する際の重要なポイントのひとつが「開業までのスケジュール」です。飲食店を新規に開業する場合、お店のコンセプトや立地、物件の検討から各種届出や手続き、スタッフの募集やトレーニングなど対応すべき案件があります。
また、開業までに実施すべき案件の多くは抜け漏れがあると開業ができないリスクや状況次第では法令違反などに当たるリスクがあるため、開業時に必要な対応事案を理解し、抜け漏れなく実施しなければなりません。
そのためには、開業までにやるべき事をまとめて、何をいつまでに実施するのかマイルストーンを設定したスケジュール管理が必要です。
飲食店開業の流れ
飲食店をオープンするまでの開業作業流れは、状況に応じてさまざまですが一般的な開業までに必要な対応は以下のとおりです。
- 店舗コンセプトの立案
- 事業計画策定
- 物件検索から取得
- 資金調達
- メニュー検討
- 店舗内装・外装設計施工
- 厨房設備設置
- 什器や備品設置
- 各種届出および手続き
- スタッフ採用と教育
- プレオープン
- 開業
なお、店舗コンセプトの立案から開業までは1年程度かかると言われています。
必要な期間
コンセプトの立案から新規開業までの全体で必要な期間は1年程度と言われていますが、対応案件ごとに必要な期間はどの程度なのでしょうか。対応案件ごとに必要な期間を以下に紹介します。
- 店舗コンセプトの立案:1ヶ月程度
- 事業計画策定:1ヶ月程度
- 物件検索から取得:3ヶ月以上
- 資金調達:1ヶ月程度
- メニュー検討:1ヶ月程度
- 店舗内装・外装設計施工:1ヶ月程度
- 厨房設備設置:1ヶ月程度
- 什器や備品設置:1ヶ月程度
- 各種届出および手続き:1ヶ月程度
- スタッフ採用と教育:1ヶ月程度
大半の対応等は1ヶ月程度で対応が可能であり、同時に進めることが可能です。
開業に向けた流れのなかでのポイントは「物件取得」です。物件取得は、物件探しから実際の取得まで3ヶ月~1年程度かかります。
また、物件が決まらなければ店舗の内装工事やスタッフ募集もできないため、物件取得のスムーズな完了が予定通りの店舗開業には欠かせません。
物件取得の流れ
飲食店の新規開業の流れのなかで、最も重要なポイントのひとつが「物件取得」です。
物件を取得できなければ、店舗の準備は何も進みません。理想の物件を滞りなくスムーズに取得するためには、どのような流れで物件取得を進めれば良いのでしょうか。
立地の検討と市場調査
物件取得に向けて最初にやるべきことが立地の選定です。
お店のコンセプトにあった立地を検討して、そこから物件を探します。立地を決める際には、ある程度の候補地を選定し、客層や客数、集客の動線を確認するための市場調査を実施して、理想の立地を探します。
物件探し
お店のコンセプトにあう立地を選定し、そのなかで実際の物件を探します。
店舗物件の探し方は「Webサイト」「不動産会社」「街歩き」などがあります。
Webサイト
まずはインターネットで気になるエリアの物件を検索します。
「飲食店 物件」などのキーワード検索をかけると、飲食店用の空き物件などが簡単に探すことができるので家賃相場のリサーチも含めて、Webサイトの情報収集から始めましょう。
物件周辺の不動産会社で紹介を受ける
インターネットからある程度の物件情報を収取できた段階で、Webでのリサーチと並行して不動産会社を活用したリアルでの物件探しをスタートしましょう。
気になる物件周辺の不動産会社からは、よりリアルで詳細なエリア情報が入手できるだけでなく、インターネット上では公開されていない物件情報が手に入る可能性もあります。
街歩きをして調査する
Webサイトや不動産会社などから得られる客観的な情報だけでなく、ご自身の主観的な視点での情報収集も重要となるため、候補エリアを自分で歩き、目で見た情報収集も欠かせません。
内見
Webサイトや不動産会社、街歩きなどさまざまな視点から得た情報をもとに、いくつかの候補物件に絞り、内見をします。
内見をする際には、内装業者と同行して工事内容を検討しながら工事見積もりを取るようにすると効率的です。
契約
内見も完了し、内装工事の内容や費用なども検討をした上で納得できる物件が見つかると契約の締結を進めます。
物件取得の契約時には、契約段階で必要な初期費用の確認と併せて開業後の家賃や契約期間、更新料なども確認しましょう。
物件取得のポイントと注意点
物件取得をスムーズに進めるためのポイントと注意点を紹介します。
物件を取得する際のポイント
飲食店の物件には「居抜き物件」と「スケルトン物件」2つのタイプがあります。
居抜きとスケルトン、それぞれの特徴やメリットとデメリットを理解した上で物件探しをすると物件取得がスムーズに進み、物件取得後の内装工事や開業準備も効率的に進めることができます。
居抜き物件
居抜き物件は、前の店舗が使用していた内装や厨房設備がそのままの状態になっている物件です。
居抜き物件のメリットは、内装や設備をそのまま利用できるため初期費用を抑えられる点や工事期間を短縮できる点などがあります。
一方、デメリットとしてはお店のコンセプトやご自身のイメージに合わせた店舗作りが難しく、コンセプトに合った物件が見つかりにくい場合もある点です。
また、残されている厨房設備などは買い取る必要がある場合や使用料が別途かかる場合もあるため注意が必要です。
スケルトン物件
スケルトン物件は、内装や設備等がない状態でコンクリートの壁や柱が剥き出しの状態になった空き物件です。
一般的に、空きテナントを借りる場合にはスケルトン物件になります。
スケルトン物件で新規開業する場合には、内装工事からお店づくりをスタートするため、ご自身のイメージ通りの飲食店を開業させることが可能です。
反面、工事費用や設備投資など状況次第では多くの初期費用が必要となるため、コスト面が気になる場合には居抜き物件のほうが適しているケースもあります。
物件取得する際の注意点
物件の契約時には、不動産会社による審査などがあり指定された書類の提出が必要です。
審査が通らない場合には、物件取得が進まないためオープン日の延期などさまざまな弊害が生じます。審査を滞りなく進めるためにも、必要な書類を漏れなく準備してから審査を進めましょう。
なお、物件の契約時に必要な書類は法人での契約時と個人での契約時で以下のように異なりますので注意しましょう。
法人契約時に必要な契約書類
法人で契約する際に必要な書類の一例を紹介します。必要な書類は物件ごとに違うので、実際に必要な書類に関しては不動産会社に問い合わせてください。
- 登記簿謄本
- 印鑑証明
- 連帯保証人分の書類
- 住民票
- 身分証明書
- 収入証明
- 連帯保証人承諾書
個人契約時に必要な契約書類
個人で契約する際に必要な書類の一例を紹介します。必要な書類は物件ごとに違うので、実際に必要な書類に関しては不動産会社に問い合わせてください。
- 契約者の住民票
- 身分証明書
- 収入証明
- 連帯保証人分の同様の書類
- 住民票
- 印鑑証明書
- 身分証明書
- 収入証明
- 連帯保証人承諾書
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飲食店の新規開業でカギとなる物件取得ですが、立地の検討や物件探しなどに時間がかかる上に、契約に際して不動産会社の審査があるため物件取得までに1年以上がかかる場合もあります。
物件取得が進まないと、内装工事やスタッフ募集なども進められずオープン予定日の遅延につながります。はじめての飲食店開業で、何から始めるべきか分からないとお悩みのオーナー様や希望の物件がなかなか見つからないとお困りの経営者様には「OMISE CRAFT(オミセクラフト)」の開業アドバイスがおすすめです。
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