飲食店の立地「駅近」vs「ロードサイド」開業するならどっち?それぞれの特徴を解説
飲食店を新規で開業する際に、重要なポイントが「立地」です。飲食業は、お客さまの来店を待つタイプのビジネススタイルのため、安定した集客が見込める立地にお店を出店することが重要です。
飲食店が出店する立地として代表的な物件に「駅近物件」と「ロードサイド物件」の2つがあります。交通量が多く、安定した集客が期待できる好立地として人気がある「駅近」と「ロードサイド」ですが、来店が見込める客層やお店を利用する飲食シーンに違いがあるため、それぞれ適した業態が異なります。 本記事では、飲食店の「立地」について「駅近」と「ロードサイド」の比較をしながら解説します。
飲食店の代表的な立地「駅近」と「ロードサイド」
飲食店の立地は、経営の基盤となる「安定した集客」を確保する上でとても重要です。飲食ビジネスは典型的な「待ちのビジネス」であるため、お店の場所によって集客が大きく変化し、売上にも直結します。
飲食店の出店に適した立地には「人通りや車の交通量が多い場所」やオフィスや観光スポットなど「人が集まる場所」などがあり、「駅近」や「ロードサイド」は、駅を利用する人の交通量や幹線通りを走行する車など店舗周辺を往来する交通量が見込めるため集客可能性が高い好立地と言えます。
駅近とロードサイドには、どのような特徴があるのでしょうか。
駅近
「駅近」とは、文字通り「駅の近く」を意味します。駅には、電車を利用する通勤通学の会社員や学生、その街の住民など多くの乗降客が集まります。多くの乗降客が集まる駅の周辺は、毎日一定数の人通りが見込めるため飲食店に適した立地です。
駅近の立地は「駅の近くの立地」をさしますが、駅近とは駅からどの程度の距離までをさすのでしょうか。 駅近という言葉に定義はありませんが、おおよそ「駅から半径300m、徒歩5分圏内」であれば駅近の好立地と言えるのではないでしょうか。また、「駅から半径500m、徒歩10分圏内」であれば駅周辺の立地として出店可能な範囲と言えるでしょう。
ただし、同じ駅近と言っても駅によって客層や通行量に違いがあるため、駅近ならどこの駅でも好立地という訳ではないので、市場調査に基づいた街やエリアの選定が重要となります。
ロードサイド
「ロードサイド」とは、「幹線道路や郊外の生活道路沿いの立地」を意味します。郊外や地方都市周辺では、車が生活の足となっており、駅周辺よりも幹線道路沿いのほうが集客を見込めます。
ロードサイドの場合、来店が見込めるエリアとしての「商圏」はお店を中心に「車で15分圏内」となります。
ロードサイドの場合も、お店の周辺エリアに対する市場調査が重要で、集客に影響を与える要素として「商圏の住民数」や「住民の年齢層」などを把握する必要があります。
駅近のメリットとデメリット
駅近の立地が持つ特徴から、駅近立地に飲食店を出店するメリットとデメリットを解説します。
駅近のメリット
駅近の立地に飲食店を出店するメリットのひとつが「飲み会シーンを獲得しやすい」ことです。
駅の利用客をメインターゲットにする駅近店舗の場合、来店するお客さまの多くが「電車で移動」することが前提となります。そのためアルコールの提供がしやすく、駅近くで集合に便利な点からも飲み会シーンを獲得しやすいメリットがあります。
飲み会シーンは、お食事メインの飲食シーンよりもお酒が追加される分、客単価が高くなる傾向があり、大人数での来店も期待できるため飲食店としてはターゲットとしたい飲食ニーズのひとつです。
さらに、飲み会シーンには歓迎会や送別会、忘新年会など定期的に開催される宴会シーンがあるため集客の軸として経営計画も立てやすくなります。
駅近店舗のデメリット
駅近立地に飲食店を出店する際に注意が必要な点としては「家賃が高い」「ライバル店が多い」などがあります。
多くの人が集まる駅近の物件には、多くの飲食店や飲食店以外の商業店舗が出店を希望するため、家賃が高くなる傾向があります。家賃は毎月の経営状況とは関係なく発生する固定費のため、高額な家賃は飲食店経営上の大きな負担になります。
また、駅近の立地ではライバルとなる多くの飲食店が乱立しているケースも珍しくなく、周囲のライバル店との差別化ができない場合には、立地が良くても集客が見込めないケースもあるため、周辺のライバル店にどのような業態があるかなどを調査しておきましょう。
なお、駅近で出店する場合は「家賃」「想定客単価」「1日あたりの集客数見込み」のバランスを考え、お店が想定している客単価や集客数からシミュレーションができる売上予測に対して、家賃が適正な範囲に収まる物件を選定しなければなりません。
駅近の立地に適した飲食業態とは
駅近の立地に適した業態のひとつが「居酒屋」です。駅近の立地は、アルコール類を提供しやすい点がメリットである反面、家賃が高いと言うデメリットがあり、一定以上の売上が見込めなければ安定した経営が難しい立地でもあります。
居酒屋は、アルコール類の提供が営業の軸のひとつであり、駅近立地の特徴を活かせる業態である点に加えて、1人当たりの客単価がお食事だけの飲食シーンよりも高くなる飲み会シーンを獲得できるため、家賃に応じた売上も見込める点などから駅近立地に適した業態と言えます。
ロードサイドのメリットとデメリット
ロードサイドの立地が持つ特徴から、ロードサイドに飲食店を出店するメリットとデメリットを解説します。
ロードサイドのメリット
ロードサイドの立地に飲食店を出店するメリットは「家賃を抑えられる」点です。
駅近の立地と比べると、ロードサイドの物件や家賃が安い傾向があり、家賃を抑えられる分、より広く大型の店舗を出店できる点がメリットです。
お店の敷地が広くなると、座席数が多くなるためお店の集客力がアップします。また、ロードサイド店は車での来店が多いため、敷地が広くなることで駐車場も広くなり、車の収容台数もアップします。
ロードサイド店のメリットには「客層の幅広さ」と「1日中の来店が見込める」点もあります。ロードサイド店を利用する客層は幅広く、若者のデートシーンから高齢者の集まり、ファミリー層などさまざまな年齢層のユーザーによる多岐に渡る飲食シーンでの利用が見込めます。
また、駅の利用客は電車の運行時間による影響がありますが、車利用には時間制限がないため、ロードサイド店は終日の集客が見込める点もメリットと言えます。
ロードサイドのデメリット
ロードサイドの立地に、飲食店を出店する際に注意が必要な点として「お店の認知度アップや来店促進の対策が必要なこと」があげられます。
ロードサイド店に来店するお客さまの多くは、車の運転中にお店選びをしているため、店舗前の大きな看板などお店の認知度を上げるための対策が必要です。
また、商圏内の住民の来店を促進するための広告やキャンペーンなども必要なため、販促費が必要になる点にも注意が必要です。
ロードサイドの立地に適した業態とは
ロードサイドの立地では、アルコールの提供が難しい点や若者から高齢者まで幅の広い客層がターゲットになるため「ファミリーレストラン」のようなお食事メインのレストラン業態が適しています。
ファミリーレストランは、年齢や性別に関係なく誰でも楽しめるように和洋中などの定番メニューが揃っており、ロードサイドの特徴である幅広い客層に対応できる業態です。
ファミリーレストラン以外では、焼肉や回転寿司など人気が高い専門店業態もロードサイドに適しています。
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飲食店の集客と売上は、お店の立地によって大きく左右されます。飲食店の立地として「駅近」と「ロードサイド」は、人や車の往来が多い集客が見込める立地の代表として人気があります。
駅近の立地は、電車を利用する会社員や学生などをメインターゲットとして、客単価が比較的高い飲み会シーンを獲得しやすいため、居酒屋などアルコールの提供が軸となる業態が適しています。
一方で、ロードサイドの立地では車での来店が大半を占めるため、若者から高齢者までの幅広い客層を対象とした幅広いメニュー設定があるファミリーレストランなどが適しています。
飲食店を開業する際に、立地を検討する場合にはお店のコンセプトや業態に合ったエリアや立地を選択する必要があります。「OMISE CRAFT(オミセクラフト)」では、飲食店の成功に欠かせない最適な立地探しをお手伝いします!
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