理想の立地を見つける|飲食店成功のための市場調査テクニック
飲食店を開業する際の重要なポイントに「立地」があります。民間の調査会社が行った「飲食店を選ぶ際の重視点」というアンケート結果では、「料理・メニューの内容」「価格帯」に次いで「立地・アクセスの良さ」が選ばれています。
飲食店は「人的交流の場」としての機能もあるため、品質の高い料理だけでなく、集客に適したアクセスの良さなども重要です。
飲食店の成功に欠かせない立地の選び方や市場調査のポイントを解説します。
飲食店成功のカギを握るのは「立地」
飲食店の成功において立地は不可欠の要素です。どれだけ高品質の料理を提供しても、立地が悪い店舗ではお客様の来店が難しく、認知度も上がらないため、集客が困難になります。
また、お店へのアクセス性以外にも出店する街や地域が持つ特性との親和性も重要で、お店の料理やサービス、コンセプトなどと客層がマッチしないとアクセスに優れた立地でも集客には繋がりません。
このように、飲食店開業の際に考えるべき立地とは、お店のコンセプトにマッチした客層が見込める街やエリアを選定し、ターゲットとするお客様がアクセスしやすい場所を指します。そして、自分のお店に最適な立地に出店するためには、事前の「市場調査」が重要です。
「好立地」=「成功」ではない
一般的に「好立地」と呼ばれる立地には、「駅近物件」や「有名観光地」「都心のオフィス街」などがあります。
好立地と呼ばれる場所は、人の往来が多く、街やエリアそのものに集客力があるため飲食店などの集客型のビジネスに適しているとされています。
しかし、好立地な場所には多くの飲食店や小売店などが乱立しているケースが多く、ライバルが多くなるため、生存競争が激しくなります。
また、出店希望が殺到するため、家賃相場が高くなる場合が多く、飲食店経営で注意すべき固定費が高くなるデメリットもあります。
このように、好立地だからといって成功するとは限らない点に注意が必要です。立地を考える際には、アクセスの観点からの「好立地」にこだわらず、自分のお店が狙うターゲット層などから適切な立地を検討しましょう。
立地の種類と特徴
飲食店開業時に検討すべき立地には、「街」や「エリア」といった大枠での捉え方だけでなく、より詳細な場所での検討も必要です。
お店を出店する場所にはさまざまな種類があり、それぞれの特徴を理解することが市場調査の第一歩となります。ここからは、具体的な出店場所ごとの特徴と客層などを解説します。
駅近
集客に重要なお客様のアクセス性の面で優れた立地に「駅近」があります。駅には、街の住民や周辺企業の従業員の方などが集まるため、駅周辺の立地の場合、安定した集客が見込めます。
駅近の店舗で来店が見込める客層は幅が広く、通勤や通学で駅を利用する社会人全般や学生の方、駅周辺の住民、ファミリー層や高齢の方など街の特性に応じて変わりますが、昼夜や曜日を問わずに一定の集客が見込めます。
一方で、出店者からの人気が集まる立地のため、物件の家賃や管理費、更新費用などが高くなる傾向があります。
ロードサイド
駅近の対局にあたる立地が「ロードサイド」です。街の郊外を走る幹線道路沿いの立地を指すロードサイドですが、車で移動する方をメインの客層とする立地です。
ロードサイドの客層は、幹線道路の周辺に位置する街の住民やビジネス上の理由で幹線道路を利用するドライバーがメインターゲットです。周辺住民のなかでターゲットになる距離としては車で15分圏内が目安になります。
ロードサイドは、駅近物件に比べて家賃や管理費などが安くなるケースが多く、駅前店舗よりも敷地面積が広い大型店舗が出店可能な点が特徴です。一方で、集客ターゲットの商圏が広域になるため、ライバル店舗が意外と多い点に注意が必要です。
ビジネス街
ビジネス街には、企業のオフィスが集中しているため企業で働く20代~60代の男女が主な客層となります。
ビジネス街の特徴は、月曜から金曜までの平日はランチからディナーまで時間帯を問わず集客が見込めるのに対して、企業が休みになる土日は集客が見込めない点です。
また、企業で行われる忘新年会など大人数での宴会需要が見込める点もビジネス街に特有の飲食ニーズです。
繁華街
繁華街は、多くの小売店や飲食店が集まる商業地です。繁華街の客層は、世代を問わず幅広い集客が可能な点が特徴です。
特に、土日や休日には多くの人が街に集まるため、多くの集客が見込めますが、平日の夜は集客が難しいケースもあります。
路面店
路面店は、ビルの1階など通りに面した立地の店舗を指します。お店が通り沿いに面しており、お店の前をさまざまな人が通るので、多くの人が認知しやすい点が特徴です。
同じ建物の1階と2階以上では、1階のほうが集客上のメリットが多いため人気が高く、その分家賃や管理費が高い傾向があります。
空中階
ビルの2階以上の立地を空中階と呼びます。空中階にあるお店は、お店の前を通りがかる人がいないため、お店までお客様を呼び込むための工夫が必要になります。
一方で、1階の路面店に比べて家賃や管理費が安くなるケースが多く、固定費を抑えられるメリットがあります。
商業施設テナント
デパートやショッピングモールなど商業施設のなかにテナントとして出店するケースもあります。
テナント店の場合、商業施設自体の集客力を活用できる店がメリットです。一方で、テナント料や更新料が高額な点などに注意が必要です。
市場調査のポイントと注意点
お店のコンセプトに合った立地を見つけた場合、すぐに出店をせずに市場調査を実施して客観的なデータから出店場所として問題がないかを確認します。
市場調査の方法や必要なデータは数多く存在しますが、ここでは飲食店開業時に必要な市場調査のポイントと注意点を解説します。
市場調査を実施する際のポイント
市場調査を実施する目的は、出店予定地で見込める客層や時間帯別の客数、競合店の状況などを把握することで店舗経営の戦略を立てるためです。
そのために必要な調査は「顧客動向調査」「周辺調査」「競合調査」の3点です。
顧客動向調査は、出店予定地付近の曜日別、時間帯別での歩行者の通行量と学生や主婦、会社員、家族連れといった属性を調べます。
ロードサイドなどの立地では車や自転車の交通量調査も必要です。顧客動向調査によって、お店がターゲットとする客層の有無や曜日や時間帯別の通行量を把握し、営業時間や定休日などの検討材料とします。
周辺調査では、出店予定地付近から範囲を広げ、集客が見込める商圏全体に範囲を広げ、集客のポイントになりそうな観光スポットや大型マンション、オフィスビルや商業施設などの状況を把握します。
商圏の目安としては、出店予定地から半径500~700m程度、徒歩で10分圏内となります。
競合調査では、周辺で業態やコンセプトが同じ、もしくは似ている飲食店の出店数と集客状況を把握します。
顧客動向や商圏、競合店の状況から出店予定地の集客ポテンシャルとリスクを明確にし、経営戦略を立てることで成功の可能性が高まります。
市場調査を実施する際の注意点
市場調査は、顧客動向調査や周辺調査、競合調査であればご自身で実施することも可能です。
コスト面から考えるとメリットがありますが、ご自身で実施する場合、主観的な調査や分析になるリスクがあるので、より客観的で正確な調査・分析を求める場合には調査会社に依頼しましょう。
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飲食店開業において立地の検討は重要です。立地を検討する際には、街やエリアの事前調査を徹底し、お店のコンセプトに合う「ご自身のお店に最適な立地」を探すようにしましょう。
お客様のアクセスや集客人数が見込める好立地な物件にこだわり過ぎると、ご自身の店舗と客層が合わずに高い家賃に見合った集客に繋がらないケースがあることも理解しておきましょう。このように飲食店の成功に欠かせない最適な立地探しを「OMISE CRAFT(オミセクラフト)」がお手伝いします!
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