物件探しをスムーズに進めるポイントと注意点|飲食店を成功させる物件選びのコツとは
飲食店を開業する際、最初に決めなければならないもののひとつが「物件」です。飲食店にとって物件は、お店そのものであり、物件が決まらなければ開業作業は進みません。
また、お店のコンセプトや業態などは開業後でもある程度の変更や修正が可能ですが、物件は1度契約すると簡単に変更することは難しいため、物件選びはとても重要な作業となります。
本記事では、失敗できない物件選びのポイントや注意点について解説します。
物件選びの重要性
飲食店の開業を円滑に進めるためには「物件選びを円滑に進めること」が重要です。しかし、実際の飲食向け物件探しは非常に困難で、なかなか円滑に進みません。
飲食店開業時の物件探しに必要な期間は、状況に応じて異なりますが2ヶ月から3ヶ月程度で物件取得ができれば理想的で、1年以上かかっても物件が見つからないケースもあります。
なぜ飲食店の物件探しが難しいのか。その理由には以下のような理由があげられます。
- お店のコンセプトと予算に合致する物件が限られている
- 集客が見込める好立地の物件の選択肢が少ない
物件には種類があり、飲食店など事業を行うためには「商業用物件」が必要ですが、集客が見込めるような条件の良い物件には、借用希望者が集中するため空き物件は少なく、飲食店の開業に適した物件探しは困難になるケースが多いです。さらに、その中でお店のコンセプトと予算に合う物件を見つけるとなると容易ではありません。
また、物件は1度契約を行った後に、その後の移転や改装は大きな費用と労力を要します。さらには、立地として集客が見込めない物件や家賃が高額な物件は、後々経営を圧迫する可能性があるため、条件を妥協や無理をして空き物件の中から早期に決断することはリスクを伴います。
理想の物件が見つかるまでお店をオープンさせない選択もありますが、限られた期間のなかで、少しでも理想に近い物件を見つけるためにはどのようにすればよいのでしょうか。
物件選びのポイント
限られた期間で、理想の物件をスムーズに見つけるためのポイント3つを紹介します。
立地
物件を選ぶ際には、まず出店するエリアと立地を決めなければなりません。特に「立地」は、飲食店の経営状況を左右する要素として重要です。
厚生労働省が行った「お客さんが飲食店を選ぶ際に重視していること」に関する調査で、「味」「料金」に次ぐ第3位が「立地」でした。しかし、お客さまが来店しやすい「アクセス性」の良い物件が必ずしも最良の選択肢とは限りません。
出典:厚生労働省「今日から実践!収益力の向上に向けた取組みのヒント」
アクセス性の良い物件は家賃が高くなりがちで、経営の固定費を増加させる可能性があります。そのため、長く続くお店を目指していく場合は、家賃のコストを抑えることが重要です。
立地条件が良くても、無理をして高額な家賃による出店は、経営を圧迫させるリスクが伴う為、慎重に考慮する必要があります。
さらに近年では、インターネットやSNSで発信されるグルメ情報をもとに「行きたいお店」に行く「目的来店」が増えている為、立地条件が不利である場合は、情報発信の工夫で補う方法もあります。
また、飲食店の立地は「お店のコンセプト」や「業態」との相性などからも検討します。
たとえば、家族連れをメインターゲットとするファミリーレストランのような業態であれば、駅から離れた住宅街に近い立地でも集客が見込めるため、家賃が高い駅近の立地に出店する必要性が低いと言えます。
一方で、会社員の宴会シーンをターゲットにするような居酒屋を、近くにオフィスがない住宅街に出店しても業態と立地が合わないため、会社員の来店が見込めるオフィス街の駅近立地が適切です。
このように、物件をスムーズに選定するためには、しっかりとした収支計画を立てて、許容できる家賃の範囲を明確にすることが重要です。
その上で、自身のビジネスコンセプトに合致したエリアや立地条件を絞っておく必要があります。これにより、経済的な負担を最小限に抑えつつ、目的に合った最適な物件を見つけることができます。
居抜き物件とスケルトン物件
飲食店の物件には「居抜き物件」と「スケルトン物件」の2種類が存在します。
「居抜き物件」とは、前の借主が退去時に内装や設備を撤去せずそのまま状態になっている物件です。一方「スケルトン物件」は、内装や設備がない骨組み状態の物件のことです。
居抜き物件とスケルトン物件には、内装や設備の有無に違いがありますが、それぞれメリットとデメリットがあります。
居抜き物件は、すでに内装や設備があるため、新たな大きな改装や設備投資を行う必要が少なく、初期投資を抑えることやオープンまでの期間を短縮ができます。そのため、初期費用を押さえて素早くスタートさせたい人におすすめです。
しかし、居抜きの状態によっては、事前に計画していたコンセプトや店舗イメージを反映することが難しくなる点がデメリットです。
スケルトン物件は、内装や設備を自由に設計できるため、お店のコンセプトやデザインを反映した店舗作りが可能です。しかし、すべてを一から構築する為、工事費用が多額になるケースが多い点や工事期間が長く、オープンまでには時間を要す点に注意が必要です。
したがって、居抜きかスケルトンかの選択を行う際には、その初期費用が自身の計画と合致しているか、また、それに伴う借入れが月々の支払い能力を超えていないかが重要になってきます。
初期投資の大小が事業の資金繰りに直接影響を及ぼすため、どちらの物件条件が自身の資金計画に適しているか検証しておきましょう。
不動産屋選びとコミュニケーション
物件を探す方法は、インターネットでの物件検索や出店を考えているエリアを直接歩いて探す方法などがありますが、出店エリアと立地がきまった段階で、エリア内の地場の不動産会社に相談をして、物件探しを進める方法も有効です。
特に重要なのは、店舗用物件をメインで取り扱っている不動産会社や、地域に強いネットワークを持つ不動産会社を選ぶことです。
また、空き物件が出た際すぐに連絡がもらえるように、不動産会社との関係構築も重要です。店舗用物件の空き情報は、インターネットや不動産会社の店頭で公開されているものだけでなく、不動産会社と繋がりがある事業者に直接提供されるものもあるため、不動産会社との信頼関係もポイントになります。
繁華街
繁華街は、多くの小売店や飲食店が集まる商業地です。繁華街の客層は、世代を問わず幅広い集客が可能な点が特徴です。特に、土日や休日には多くの人が街に集まるため、多くの集客が見込めますが、平日の夜は集客が難しいケースもあります。
面談の際に欲しい物件の条件を明確に伝えることで提案をしやすくしたり、こまめに連絡を取り最新の動向を聞くことによって、関係性の構築を図ることができます。
物件選びの注意点
物件選びを進めるなかで注意が必要な点について解説します。
飲食店の営業が可能な物件を探す
物件探しの基本として「飲食店の営業が可能な物件」であるか必ず確認をして、物件探しを進めましょう。
物件そのものが、飲食店を含む商業使用が可能な店舗用物件であるか、物件がある場所が商業区として飲食店の営業が可能な場所か、契約前に必ず不動産会社に確認してください。
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飲食店開業において物件探しは、その後の開店準備に大きな影響を与えるだけでなく、開業後の売上にも直結するため重要です。お店のコンセプトや業態、事業計画の立案も物件探しと同様に大切な開業準備ですが、状況に応じた変更や修正が可能であるのに対して、物件は1度決定すると変更ができません。そのため、物件選びは慎重に進める必要がありますが、時間を掛けすぎると開業が進まないためスムーズな物件選定が求められます。失敗が許されない飲食店の物件探しを円滑に進めるために、ぜひ「OMISE CRAFT(オミセクラフト)」をご活用下さい!
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