東京で飲食店を開業するならどこ?東京で出店するメリットや主要エリアの特徴を解説
飲食店の開業予定の方の中には、たくさんの人が集まる東京に出店したいとお考えの方も多いことでしょう。繁華街が多い東京ですが、エリアによって客層が大きく異なります。自店の商品やターゲットとなる客層、業態に合わせたエリアに出店することが重要です。本記事では、東京の主要エリアの特徴をご紹介していきます。
飲食店にとって立地の重要性
飲食店を開業する際は、立地選びが非常に重要です。その理由や立地の判断基準について、解説していきます。
立地が重要な理由
飲食店の成功は、「立地が7割」といわれるほど、立地の選定が重要な鍵を握ります。
不利な立地でも、宣伝の工夫や独自性で繁盛しているお店も存在はしています。しかし、お客様にとっては、アクセスが不便な場所は、頻繁に通いにくいのも確かです。
基本的には、いくらよい料理を提供しても立地が悪いと繁盛しにくい、と考えた方がよいでしょう。
また、お店の内装やメニューの内容などは、お店をオープンしたあとでも変えられますが、出店する場所は簡単には変えられないものです。出店する場所は慎重に選ぶことが大事です。
立地の判断基準
立地を決める際には、
- 人口の構成
- 通行量
- 人の流れ
- 周辺のマーケット
- 競合
などの項目を調査し、総合的に判断します。
人口の確認は、出店をしたいエリアにいる人の数だけでなく、自店のターゲットとなる層の割合が肝心です。
集客には、時間帯や曜日による通行量や人の流れも大事なポイントですので、駅や大型の商業施設などからの人の流れを確認しましょう。データだけではわからないこともありますので、必ず、現地に出向いて調査を行ってください。
そのほか、競合店のリサーチも重要です。必ずしも同じ業態だけがライバル店とは限りません。価格帯や客層などの視点からも、確認をしましょう。
飲食店を東京に出店するメリット・デメリット
飲食店の出店場所として、多くの人が集まる東京には、たくさんの魅力があるようにみえます。実際に出店する場合のメリットやデメリットには、どのようなことがあるのでしょうか。順に詳しくみていきましょう。
東京の特徴
東京は、日本の首都であることはいうまでもありませんが、行政やビジネス、文化やエンターテイメントにおいても、日本の中枢を担う街です。
2020年のデータによると、東京の人口は、1406万5000人 。その人口の多さも、世界屈指の大都市です。東京には、繁華街が多数存在し、ビジネスパーソンが多く集まるエリアや、若い人で賑わうエリアなど、繁華街によって客層が異なるという特徴があります。
さらに、東京へは、千葉、埼玉、神奈川など近隣のエリアからも、日々の仕事やレジャー目的で人が集まります。これらの人々も含めた、非常に大きな人口がビジネスの対象になる可能性を秘めています。
東京に出店するメリット
東京に飲食店を出店するメリットは、前述の通り、その人口の多さと多様な客層です。東京は、公共交通機関が発達し、外からも人が集まりますので、その分ビジネスチャンスにも恵まれています。
エリアの特性によって、ターゲットが絞られますので、効率よく集客できるのもメリットといえるでしょう。特に繁華街は、平日や昼間も賑わっていますので、高い集客力が期待できます。
東京に出店するデメリット
集客力においては、メリットがある東京ですが、一方でデメリットもあります。
東京は地方に比べて物価が高い都市です。その分、物件の取得費用や内装工事にかかる費用なども高くなりますし、スタッフを採用する場合には、人件費も高くなります。主要駅周辺や繁華街に出店するとなると、その傾向がより高まります。
また、人気エリアには競合も多く、より厳しい競争を勝ち抜かなければ、生き残れません。
東京のエリア別の特徴や客層
ここでは、東京の主要なエリアを中心に、エリア別の特徴やターゲットについて、紹介していきます。東京に出店をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
主要駅周辺
渋谷、新宿、池袋のような主要駅周辺は、ビジネス、観光、エンタメなどあらゆる目的でさまざまな客層が集まります。広告宣伝をしなくても、ある程度の集客が見込めるエリアです。
とくに駅周辺は、車での来店を想定していないので、アルコールを出すお店の需要も高い傾向にあります。主要駅周辺に出店すると、パートやアルバイトなど、人材も集まりやすいのもメリットです。
ただし、主要駅周辺は、集客にはメリットがあるものの、物件の賃料が高いことと、競合が多いことがデメリットです。
繁華街
六本木や、銀座、表参道のような繁華街は、交通のアクセスもよく、大きな商業施設や飲食店が充実しています。曜日や時間帯を問わず、多くの人が出入りするため、集客をしやすいのがメリットです。平日はビジネスマン、休日は若い層やファミリー層など、客層が幅広いことも魅力です。
カジュアルなお店から高級店まで、出店する飲食店も多様で、競争が激しいエリアでもあります。また、主要駅周辺同様に、物件の賃料が高く、人気の物件はすぐに埋まってしまうというのがデメリットです。
ビジネス街
丸の内や大手町、西新宿、新橋などに代表されるビジネス街は、平日のランチや仕事帰りの飲み会などに需要が高いのが特徴です。ターゲットを絞りやすい分、他店との差別化が重要なポイントです。
平日に一定の集客が見込まれる一方で、休日の集客が難しい場合もあります。定休日を週末に設けるなどの工夫が必要になるかもしれません。また、ビジネス街でファミリー層や若者層を狙うのは難しいでしょう。
学生街
早稲田、高田の馬場、田町、お茶の水などは、大学に通う学生が多く住んでいる街です。
学生街に出店すると、人数としてはそれなりの集客が見込める点と、リピート率を上げやすい点がメリットといえるでしょう。
一方で、客単価があがらないというのがデメリットです。学生街では、安価でボリュームがある商品に需要があるという点を念頭に入れておきましょう。
住宅街
住宅街に出店すると、繁華街や主要駅付近に比べて、物件の賃料はおさえられますが、住民の層によってマッチする価格帯が大きく異なります。
白金、広尾、田園調布などの高級住宅街では、主婦層をターゲットにした高級価格帯のランチコースなどに需要があり、客単価を高く設定できます。
町田、立川、八王子などの郊外のエリアには、ファミリー層が多く、ボリュームの多いメニューや手頃な価格のメニューが好まれます。このように住宅街といっても客層が全くことなりますので、出店をする前に客層をしっかりと見極めることが重要です。
また、住宅街では、リピーターを獲得しやすいというのが共通のメリットといえるでしょう。
再開発エリア
近年、東京の各所で再開発が進められています。
五反田、大崎、品川のような再開発エリアは、新たな商業施設や大型のマンションが建設され、交通の利便性も改善されるなど、街が近代化しました。
すると、再開発エリアに居住人口が増加するだけでなく、周辺エリアの人の流れも活発になります。再開発エリアに出店すると、主要駅に匹敵するような集客も期待できるでしょう。
観光地
浅草、上野、豊洲、スカイツリー近辺などの観光地は、インバウンドの需要も高いエリアです。インバウンドの集客に取り組むことで、客単価のアップや顧客層を広げるチャンスにもなるでしょう。
英語を中心とした外国語のメニューの用意や、よく聞かれる質問の答えなども用意しておくとよいでしょう。また、Wi-Fi環境の整備やキャッシュレス決済の導入なども、集客に影響しますので、整えておくことをおすすめします。
まとめ:飲食店の成功はターゲットにあった立地の見極めが重要
今回は、飲食店が東京に出店するメリットやデメリット、エリア別の特徴について解説しました。
東京に出店すると多くの人に認知されるメリットがある一方で、物件取得費用や人件費は高くなる傾向にあります。
また、東京といっても、エリアによって客層が大きく変わりますので、立地調査をしっかりと行い、自店に合った商圏であるかを見極めたうえで、出店しましょう。
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