内装で差をつける: 顧客の心を掴む店舗デザインのポイント
デザイン会社の選び方
理想の物件を見つけ、いざ契約となった後、いよいよ店舗デザインを詰めていく段階に入ります。しかし、デザインをどのように具体化していけばいいのか迷う方は少なくありません。そもそも自分の思い描くデザインは実現可能なのかどうか、お客様は内装のどこを見ているのか、一体いくらあればできるのかなど、分からないことが山積している方も多いでしょう。
まず内装工事には、設計を行うデザイン会社と、工事を行う工務店、そして工事とデザインを一括で担う会社の3種類が存在します。探し方はインターネットで検索するか、工務店から紹介されるかのどちらかのケースが多いです。しかし、インターネットで探す場合は時間がかかってしまう傾向がある一方で、紹介の場合は自身のやりたい店のデザインを得意としていないリスクがあるなど、どちらにもデメリットがあります。そこで当サイトでは入札でデザイン会社と巡り会えるサービスも提供していますので、ぜひ活用をしてみてください。
デザイン会社を決める際、判断の決め手になるのが、お店のコンセプトです。コンセプトは、どのようなお客様に向けて、どういった料理を提供し、どんな時間を過ごしてもらいたいかを具体的にまとめたものです。デザイナーにはそのコンセプトを理解し、共有していただくことが肝心です。デザイン会社のホームページには、ほとんどの場合、過去の施工例が掲載されているので、選定の際の参考になると思います。
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コンセプトを明確化する重要性
デザイナーとの関係性構築のテクニック
お店のコンセプトがないと、デザインの方向性が決まらず、デザイナーが主導権を持ったままプロジェクトが進行してしまいます。そうなると、デザイナーの作品の一つになってしまい、オーナーには何の得にもなりません。理想とする店づくりのベースになるからこそ、コンセプトが曖昧な場合、まずはしっかりと固めてください。 仕事の特性上、デザイナーはオーナーよりも工務店とのつながりの方が強い傾向が多いです。場合によっては、工務店の味方になってしまうので注意をしなければなりません。勝手に安い材料に変えられてしまったり、予算を守るため施工しやすい設計に変えられてしまったりと、気づかないところで手を抜かれてしまうことも少なくありません。そうした事態に陥いらぬ様、コストに見合った「成果物」を受け取る注意が必要です。
そのためにもデザイナーとコミュニケーションをしっかりと取ることです。コンセプトが明確だと、「こういうコンセプトでこんなお店を作りたい」といった具体的な話ができるので、デザイナーとの関係性も構築しやすくなります。「そういったお店がつくりたいのなら、こちらの材料を使いましょう」とか「メンテナンスがしやすい材料もありますが、どうですか?」といった、こちら側に立った提案も積極的にしてくれるようになるでしょう。具体的なコミュニケーションを通して、デザイナーとの関係性を構築し、ぜひこちら側に引き寄せてください。
効果的なこだわりのポイント
内装で他店との差別化を行いたいのなら、お客様の目のいくところにお金をかけるようにしましょう。床や天井、壁などは意外と見られていません。そうしたところにこだわるよりも、お客様の印象的に残るところに力を入れると効果的でしょう。例えば、お皿やシルバー、グラスなどは、お客様にお店のコンセプトを分かりやすく伝えるアイテムになります。椅子の座り心地や肌触りなども印象に残りやすいので、こだわってもいいポイントです。
また、照明器具などの目立つ設備にお金をかけるのも効果的でしょう。汎用品を使えば安く抑えることもできますが、あえてこだわることでお店のコンセプトをお客様に伝える効果的なアイテムにもなります。ただ注意が必要なのは、いわゆる一点ものです。例えば、非常に珍しい照明器具を買ったものの、電球を買い替えることができなかったということも珍しくありません。インターネットで気軽に買うことができるからこそ、長く使い続けられるものかどうか慎重に判断をしてください。
内装だけでなく、外観もぜひ強いこだわりを持って仕上げてください。建物の中で一番重要なのが、ファサードだといっても過言ではありません。ファサードは建物を正面から見たときの外観を指します。いわゆるお店の顔とも呼ばれる場所です。皆さんの中にも、外観を見て入店を決めた経験がある人もいるのではないでしょうか。ファサードは、お店とお客様のファーストコンタクトのポイントになります。ファサードからお店からのメッセージが伝わると、お客様も安心感して入店することができるでしょう。ファサードは宣伝効果があるほど重要な役割を果たすので、ファサードには力を入れてください。設計時に、デザイナーがパースと呼ばれるイメージをつくってくれます。それをベースにしながら、お店のコンセプトを反映したファサードが出来上がるように話し合いを進めていきましょう。
お店のロゴや看板の存在も無視できません。看板を見ただけで、「ここは〇〇屋だ」と分かることはスムーズな集客を実現する上で非常に重要です。また、印刷物などにロゴを使うことで、お客様にお店の印象をしっかりと残すことができます。ロゴは創業時に見落としがちなポイントではないでしょうか。袖看板にロゴを使ったりすれば、よりお客様の目にお店の存在が飛び込みやすくなります。コンセプトを伝える上でも、ロゴの果たす役割は大きいです。最近は比較的リーズナブルにロゴをつくれるサービスも登場していますので、選択肢の一つとして考えてみてください。
※この記事は、ロイヤルホールディングスのOBであり過去に長年設計施工部門を担当されていた方にインタビューをして作成いたしました。