うどん屋の開業は成功する?メリット・デメリットや開業方法、失敗しないポイントを詳しく解説!

うどん屋の開業は成功する?メリット・デメリットや開業方法、失敗しないポイントを詳しく解説!

うどん屋を開業したいとお考えの方にとって、成功のポイントや準備するべきことは気になるところではないでしょうか。

飲食業は競争が激しく、特に外食市場全体が厳しい状況にありますが、うどんは低コストで提供しやすいため、安定した需要が期待できます。

ここでは、うどん屋を開業するメリット・デメリット、さらに開業までに必要な手続きを解説していきます。

うどん屋の開業は成功する?

うどん屋を開業するにあたって、気になるのが成功するかどうかでしょう。うどんは国民食と言っても過言ではなく、市場規模は年々増加傾向にあるとされています。

うどん屋の市場動向やうどん屋経営者の平均年収から、うどん屋の開業は成功するのか解説します。

うどん屋の市場動向

和食のなかでもうどんの人気は根強いものがあります。2000年代前半に讃岐うどんの第4次ブームが起こり、それ以降、うどんの人気はのぼり調子です。

うどんを専門とするチェーン店が全国展開されていることもうどん屋が人気である理由の一つです。手軽にうどんを食べられるため、人気に拍車をかけています。

一方で、価格が高くても味にこだわったうどんを楽しみたいと考えるお客様も少なくありません。このように、うどん屋市場は多様化しています。

また、うどん・そばの市場規模は過去10年で1兆円規模と安定しています。そのため、脱サラしてうどん屋を開業し、こだわりのうどんを提供する方も少なくありません。

うどん屋経営者の平均年収

成功しているうどん屋の経営者の平均年収は1,000万円を超えていることもありますが、全体でみるとうどん屋経営者の平均年収は300~600万円が相場といわれています。

厚生労働省が2017年に発表したデータによると、うどん専門店の一日の平均来店客数は、53.6人とされています。一人あたりの平均食事単価は956.7円です。

53.6人×956.7円で一日の売上は、51,279.12円となります。25日営業したと仮定した場合、月の売り上げは128万円以上になります。そこから家賃や水道光熱費・人件費・材料費などの必要経費が引かれ、手元に残ったのが経営者の収入です。

うどん屋はほかの飲食店と比べると、材料費を抑えやすいとされているので、50%程が必要経費だと考えると手元に残るは約64万円になります。

よって、厚生労働省のデータをもとに計算すると年収は約768万円となります。

うどん屋開業のメリット・デメリット

うどん屋の市場規模は年々安定した傾向を示しています。うどん屋経営者の平均年収も高い傾向にありますが、開業前にメリットだけではなくデメリットも確認することが大切です。

ここでは、うどん屋開業のメリットとデメリットを解説します。

うどん屋開業のメリット

うどん屋を開業するうえでのメリットは主に次の3つです。

  • 食品のロスが少ない
  • 回転率が高い
  • 需要が安定している

うどんを作る材料はシンプルで、生鮮食品のように保存に困る材料が少ないのが特徴です。そのため在庫管理がしやすく、食品のロスを抑えることができます。メニュー数が少ないことも、食品のロスが少ない理由の一つです。

回転率が高いことも大きなメリットになるでしょう。うどんは手軽に食べられるため、お客様の滞在時間が短い傾向にあります。ランチタイムや仕事終わりなどのピークタイムでも迅速に対応できるため、回転率を上げることができます。

前述したように、うどん屋の市場規模は大きく需要が安定していることもメリットの一つです。うどんはバリエーションが豊富で価格帯も手頃なため、幅広い層に受け入れられています。

うどん屋開業のデメリット

うどん屋の開業を考えたとき、初期費用の高さや修業が必要な点が大きなデメリットとして挙げられます。

うどん屋に限らず、飲食店を経営する場合は調理設備や厨房機器、原材料などのさまざまなコストがかかります。立地のよい場所に店舗を構えようと思うと、賃料も高くなるでしょう。手打ちうどんの提供を考えている場合、製麺機の導入が必要です。これらの特殊な設備は高価となっています。

また、手打ちうどんをを作るためには修業が欠かせません。手打ちうどんを作るには職人技が求められ、適切な技術や知識が必要です。技術や知識を身につけるためには経験が必要なため、修業をしなくてはいけません。修業には時間がかかるため、早くお店を開業したいと考える方にとってはデメリットとなるでしょう。

うどん屋の開業準備

ここからはうどん屋の開業準備について解説します。うどん屋の形態や必要な開業資金の目安、うどん屋開業までの流れ、開業に必要な資格をしっかり確認しましょう。

うどん屋の形態

まずはどのような形態でうどん屋を開業するのか決めなくてはいけません。一般的な個人経営の店舗でいくのか、大手うどん店のフランチャイズとなるのか、キッチンカーを活用するのかなど、うどん屋にはさまざまな形態があります。

店舗でうどん屋を開業する場合、すべてを自分で行わなければなりません。経営が成功するかどうかに大きく関わってくる立地選定や、内装・設備の手配なども自分で考える必要があるため、慎重に計画を立てる必要があります。

フランチャイズは、立地もや資金面でサポートしてくれるケースもあり、開業しやすい形態ともいえます。フランチャイズで成功させるためには、自身の事業計画に合っているかしっかりと確認することが大切です。契約内容や費用構造をきちんと理解したうえで、フランチャイズを選択するかどうか検討しましょう。

キッチンカーは、専用の車が一台あればどこでも商売ができるのが魅力です。初期投資も抑えられますが、営業場所の確保や移動スケジュール管理が必要になります。営業許可の取得も必要なので、地域の法令やルールも理解しなくてはいけません。

このように、各形態にはそれぞれのメリットとデメリットが存在します。自分にはどの形態が合っているのか、メリットとデメリットを踏まえたうえで選択することが大切です。

うどん屋の開業資金の目安

うどん屋の開業資金の目安は1,000~1,500万円程度とされています。お店を持つときの開業資金として、以下のことを考えなくてはいけません。

  • 物件取得費
  • 内装工事費
  • 厨房設備費
  • 広告宣伝費や備品調達費など

物件取得費や内装工事費は家賃や店舗の大きさによって大きく異なります。物件取得費は家賃の11ヶ月分といわれています。家賃が20万円の場合、物件取得費は220万円以上となります。

厨房設備費は製麺機を導入するかによって費用が大きく変わってきます。製麵機の値段は数百万円ですが、リース契約することも可能です。

広告宣伝費はSNSなどを上手に活用することで費用を抑えることができます。

うどん屋開業までの流れ

うどん屋を開業するには、まず市場調査やターゲット設定を行い、どのような店舗にするかを具体化します。その後、店舗物件の選定や、必要な許認可(飲食店営業許可や防火管理者資格など)の取得が必要です。設備・備品の準備やメニュー開発も行い、資金計画や融資が必要であれば準備を進めます。

最後にスタッフの採用・トレーニングを行い、開店準備を整えましょう。準備を怠らず、計画的に進めることが成功への鍵です。

うどん屋の開業に必要な資格

うどん屋を開業するためには、資格や許可も必要です。資格や申請が滞ると開店日をずらさなくてはいけなくなる可能性もあります。必要な資格がなかったり許可を得ないまま営業すると罰せられる可能性もあります。資格取得や各種申請はしっかりスケジュール管理をして進めることが大切です。

うどん屋の開業に必要な資格は、次項で詳しく解説します。

うどん屋を開業するのに必要な資格

うどん屋を開業するのに必要な資格

ここからは、うどん屋を開業するために必要な資格である食品衛生責任者と防火管理責任者について解説します。

食品衛生責任者

食品衛生責任者は飲食店を開業・営業するために必要な資格であり、店舗に一人以上の食品衛生責任者を置く必要があります。

一般的には開業するオーナーが取得しますが、有資格者を雇用することも可能です。各都道府県で食品衛生責任者養成講習会を受講し、試験に合格することで取得できます。

防火管理責任者

防火管理責任者は、収容人数が30人以上の飲食店を開業する場合に必要な資格です。この収容人数には従業員も含まれます。

また、飲食店の規模によって資格の種類が異なるため、注意が必要です。

飲食店施設の延べ面積が300平方メートル以上の場合は甲種防火管理責任者を、300平方m未満の場合は乙種防火管理責任者の資格が必要です。甲種防火管理者と乙種防火管理者は、講習を受講する時間や費用が異なります。

うどん屋を開業するのに必要な手続き

うどん屋の開業に必要な資格は食品衛生責任者と防火管理責任者であることがわかりました。ここからはうどん屋を開業するために必要な手続きを解説します。

飲食店営業許可申請

飲食店営業許可はうどん屋を含め飲食店を開業する上で必要で、保健所に申請して取得します。飲食店営業許可の申請には事前に食品衛生責任者を取得する必要があるため、計画的に準備を進めましょう。

申請後の保健所の立ち入り検査で問題がなければ、許可証が交付されます。

個人事業主の開業届出書

個人事業主として開業する場合、事業の開始日から1ヶ月以内に税務署に開業届出書を提出します。確定申告のための青色申告や白色申告などの届出も、このときに行います。

個人事業主の開業届出書の提出には、特に審査などはありません。インターネットで手続きを進めることもできるので、期間内に提出するようにしましょう。

防火対象物使用開始届出書

うどん屋の店舗建物を使用開始する前に、自治体に防火対象物使用開始届出書を提出します。これは所轄の消防署が火災予防や火災発生時の被害軽減に役立てるために、所在地・使用用途・収容人員・設置している消防設備などを把握するために役立てられます。

開業日の7日前までに提出し、提出後に所轄消防署の立ち入り検査があります。このときに指導を受けると、場合によっては開業日が延期になることもあるため、しっかりとした事前調査が必要です。

深夜酒類提供飲食店営業開始届出書

深夜0時から午前6時までの深夜時間帯にアルコールを提供するうどん屋であれば、深夜酒類提供飲食店営業開始届出書の提出が必要です。深夜の時間帯にアルコールも提供していれば届出が必要なので、アルコールを提供する場合は申請漏れがないように注意しましょう。

道路使用許可

キッチンカーなど移動手段のある営業形態の場合、所轄の警察署から道路使用許可が必要です。申請に必要な書類は以下のとおりです。

  • 道路使用許可申請書2通
  • 道路使用場所の見取り図
  • 道路使用の方法または形態を補足するために公安委員会が認めた書類

使用許可が出るまでにおおむね2日程度かかるので、それを見越した事前準備が必要です。営業をする場合はその都度申請が必要なので注意しましょう。

水質検査成績書

水質基準は、水質基準に関する省令で規定されています。そのため、使用する水道水は省令の基準に適合したものでなければなりません。

水道法によって供給されている直結給水方式の水道水であれば、水質検査成績書の提出は不要です。一方、ビルなどで屋上の貯水槽が設置され、そこから水の供給を受けている場合は、貯水槽の水質検査成績書の提出が必要となります。湧き水や井戸水を使用する場合も同様です。

うどん屋の開業で失敗しないためのポイント

うどん屋の開業で失敗しないためには、コンセプトやターゲットがもっとも重要です。どういった考えで開業するのか、どのような層をターゲットにするのか、お店の雰囲気やメニューの方向性などを細かく考えることが求められます。

「こんなお店を開きたい」という理想やあこがれだけでは、立地に合っていなかったり、需要がないメニューだったりして、せっかく開業しても経営難に陥ってしまう可能性もあります。お店の根幹となる部分を市場調査でしっかり決めておくことで、以降の手順や手続きをぶれなく進めることができます。

コンセプトやターゲットを細かく決めることで、立地・競合調査がスムーズになるでしょう。資金が必要な部分ですが、立地は非常に大切です。魅力的なコンセプトがあっても、集客が難しい場所では資金計画が崩れやすくなります。

資金面で無理のない範囲で、いかにコストを抑えながら集客につなげるかも重要なポイントです。さらに、リピーターを増やすための施策も検討することで、長期的な成功が期待できるでしょう。

まとめ

うどん屋を開業するメリットやデメリット、開業までに必要な手続きなどを解説してきました。

うどん屋の市場規模は年々安定傾向にあり、需要が安定していて回転率も高いため、集客が見込めれば成功できる可能性の高い分野だといえます。

しっかりとコンセプトを決めて、いかに集客するか、どうやってリピーターになってもらうかを考えることが重要です。

開業までに必要な資格取得や許可申請に漏れがないように準備を進め、うどん屋の開業を目指してくださいね。

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