韓国料理店開業のメリットや注意点は?韓国料理が人気の理由や開業の流れ
アジア料理の中でも韓国料理は身近に感じている方が多いのではないでしょうか。韓国料理はヘルシーなメニューも豊富で、若い方からお年寄りまで幅広い層に好まれている料理です。
この記事では韓国料理店の開業を考えている方が知っておくべき開業のメリットや注意点、開業の流れなどを解説します。韓国料理が人気の理由も解説しますので、韓国料理店を開業したいと考えている方は参考にしてみてくださいね。
韓国料理について
韓国料理で有名なメニューには以下のようなものがあります。
- キムチ
- チャプチェ
- プルコギ
- ビビムネンミョン
- サムギョプチャル
- チジミ
- チゲ
韓国料理屋を開業しようと考えている方にとって、韓国料理の多彩な魅力を知ることは重要です。ここからは、韓国料理の特徴や人気の理由について解説します。
韓国料理の特徴
韓国料理には「食事は身体をつくり健康を保つもの」という医食同源の思想から生まれた、豊富なメニューがあります。
発酵食品が多いのが特徴のひとつで、発酵食品や野菜、良質なタンパク質など、健康をサポートする食材が豊富に使われているメニューも多数存在します。キムチやサムゲタンなどは免疫力の強化、消化促進、栄養バランスの改善など、おいしいだけでなく健康をサポートする効果がある人気のメニューです。
また、漢方にも使われる香り豊かな食材を利用するメニューもあり、独特の風味とスパイシーさも特徴のひとつです。韓国料理は辛いというイメージが強いですが、辛みを抑えたメニューもあり、辛いものが好きな方から苦手な方まで幅広いニーズに対応できます。このため、幅広い客層からリピート率の向上も期待できるのが、韓国料理の大きな特徴です。
韓国料理が人気の理由
韓国料理が人気の理由として、まずヘルシーなことが挙げられます。特に、野菜中心のメニューは健康志向の高い20〜40代女性に支持されており、集客に効果的です。
日本人の好みに合い、馴染みのある料理が多いことも人気の理由です。ビビンパやキムチ、プルコギなどは居酒屋や焼肉店などさまざまな飲食店でもよく見かけるメニューで、自宅でも食べるという人も少なくないでしょう。甘めのお酒であるマッコリなど、若い人に人気のドリンク類もあります。
彩りがよく見た目の華やかさがある韓国料理はSNS映えしやすく、そういった料理は特に若い世代から人気を集めることが多いのも特徴といえます。
韓国料理店を開業するメリット
昨今の韓国ブームの流れから、韓国料理は飲食店や家庭で手軽に食べられるようになってきました。韓国料理店は、日本に旅行に来た韓国の方からも利用されやすい点もメリットのひとつでしょう。
ここからは、韓国料理店を開業するメリットを解説します。
韓国ブームで後押しされやすい
K‐POPや韓流ドラマなどの影響から、韓国ブームに合わせて韓国に興味を持つ人も増えてきました。韓国スターのファンが増えたり韓国ドラマを観る方が増えたりすると、自然に韓国料理を食べるシーンも目に入ってきます。
そのため、本場の韓国料理を味わいたい!韓国スターが食べていたあの料理を楽しみたい!と思って韓国料理店を探す方も多くなるのではないでしょうか。
韓国料理店を開業する際に、こうした韓国ブームは集客力の後押しとなります。韓国料理店を開業する際は何が流行っているのかを常にチェックし、SNSやドラマ、音楽など韓国の情報を確認し、お店でのメニュー作りなどに活かすことが大切です。
集客しやすい
韓国料理はビビンパやプルコギ、キムチ、チゲ、ヤンニョムチキンなど、バリエーションが豊富で幅広い年齢層が楽しめるメニューも豊富です。シェアしやすい料理も多く、そうした料理をメニューにできれば、家族連れやグループ客をターゲットにした集客に非常に効果的です。
また健康志向の高まりにより、新鮮な野菜や発酵食品を使った韓国料理は、健康を重視する顧客層にも好まれます。
鮮やかな色合いや盛り付けが美しい韓国料理はSNSでのシェアが促進され、SNSによる宣伝効果が期待できるでしょう。
韓国料理は手頃な価格帯で提供しやすいメニューも多いため、幅広い層に支持されやすく、リピーターを獲得しやすいといえます。
固定客がつきやすい
韓国料理はその独特の風味やスパイシーさで、一度食べたら忘れられない味が多くの方に愛されています。韓国料理の独特な味を出すためには、日本のスーパーマーケットでは手に入りにくい食材もあるため、韓国料理店に足を運ぶ方もいます。つまり、一度お店の味を気に入ってもらえると固定客がつきやすいのがメリットです。季節に合わせてメニューや味付けを工夫することで、何度も来てくれるお客様も楽しんでもらえるように工夫しましょう。
韓国料理店を開業する際の注意点
韓国料理店を開業する際に注意することはどのようなことでしょうか?立地の市場調査や物件選び、メニュー開発や韓国料理の基本的な知識など大切なポイントを押さえておきましょう。
立地の市場調査が大切
飲食店を開業する際に特に重要となるのが立地の条件です。どの飲食店でもいえることですが、開業する際にはそのお店を利用するターゲットの層を見極めることが大切です。
お店の場所や外観などを面と線と点で押さえていく必要があります。
- 面とは、その地域の特性を理解すること
- 線とは、顧客の流れや動線を把握すること
- 点とは、お店の外観を客観的にとらえること
市場調査では、まずそのエリアにどういったお客様がいるかを考えることが重要です。例えば、韓国料理店が多く立ち並ぶ東京の新大久保駅周辺では、韓国料理のニーズが高く利用する方も増えます。
しかし、同時に競合店も多くなってきます。差別化を図ろうとターゲット層の年代や求めている食事に合わない価格やコンセプトのお店を出してもなかなか集客できないということになりかねないでしょう。
重飲食のため物件選びが難しい
焼肉など火を使い煙やにおいが出やすい韓国料理店では、重飲食の扱いとなるケースが多くなります。油や火、煙を出すことが予測される飲食店の業務形態を重飲食といいます。重飲食では店舗が借りづらくなるので、韓国料理店を開業したいと考えたときに問題となるのは、物件選びが難しいという点です。
店舗を借りる際の制約があるかないかなど、契約の前にしっかりと不動産業者に確認しながら進めていきましょう。
SNS映えも意識したメニュー開発が必要
韓国料理店を開業する際、集客力を高めるためには、SNS映えを意識したメニュー開発が欠かせません。
SNSをよく使う若者層には、カラフルで迫力ある盛り付けや、大きなスイーツといったビジュアル要素が人気の理由の一つとされています。
例えば、韓国で話題のトレンドメニューを取り入れ写真映えするメニューを提供することで、来店客がSNSに投稿し店舗の認知度拡大につながりやすくなります。さらに、開業時にはメニューだけでなく、店舗の内装や照明も工夫し、料理の魅力が引き立つ空間を設けることが重要です。
こうした工夫により、SNS上での拡散が促進され、開業当初の集客を大きくサポートします。また、季節に応じてメニューを更新するなど、継続的な工夫もリピーター獲得に効果的です。
韓国料理や韓国についての知識が必要
韓国料理店を開業するための特別な資格はありませんが、韓国料理についての知識は必要です。特によく使われる香辛料や発酵食品、調味料についての理解が重要です。これらをオリジナルで作ったりアレンジすることで他店との差別化を図ることができます。
また、韓国料理店を始めるならば、韓国の食に関してのメニューや習慣を知るために、積極的に韓国についての知識を学んでいくことも大切になってきます。韓国の食文化やマナー・食材の選び方・調理方法についても学ぶことで、より本格的な韓国料理を提供できるようになるでしょう。
韓国料理店を開業するなら、メニュー開発や店舗運営に活かせる知識を身に付けることが成功の鍵です。韓国への旅行や現地の料理教室への参加も視野に入れると、実際の文化を感じながら学ぶことができ、より深い理解が得られるでしょう。
韓国料理店の開業資金の相場
韓国料理店の開業資金の相場は800〜1,400万円程度といわれています。内訳は以下のとおりです。
- 【物件取得費】敷金礼金、前賃料など:80〜140万円程度
- 【店舗のデザイン・工事費】外観や内装・設備・機器・什器など:560〜1,000万円程度
- 【諸経費】開業前の採用・研修やメニュー開発・旅費・集客活動など:80〜140万円程度
- 【運転資金】開業後の光熱水費や人件費など:80〜140万円程度
それぞれ金額に幅があるのは、店舗の立地や坪単価、居抜き物件なのかスケルトン物件なのかなどによって準備すべきことが大きく変わるためです。また、店舗のデザインや工事費は、こだわればこだわるだけ費用がかさむ部分です。用意できる開業資金に合わせて、どこで金額を抑えるかを事前に検討しておくことが大切です。
また、フランチャイズで開業する場合にはサポートを受けられる場合もあるので、その場合も開業資金の相場は変わってくるでしょう。
韓国料理店開業までの流れ
韓国料理店の開業を目指す際には、まず明確なコンセプトやターゲットを考慮したうえで事業計画書を作成することが重要です。融資を受ける際にもこの事業計画書の内容が重要になってきます。
どのような場所で、どのようなコンセプトで行うかを決め、ターゲットとする顧客層に合わせて店舗スタイルやメニューの内容を具体化しましょう。
事業計画書がまとまったら、開業に必要な資格取得や申請の準備を進めます。飲食店の開業には、さまざまな資格や許可が必要です。漏れがないよう、しっかり確認して開店に間に合うように準備します。
資格取得や申請の準備を進めながら、融資など資金調達を始めます。資金調達には金融機関からの融資が一般的で、事業計画書や自己資金の用意が求められます。
資金調達ができたら、お店を開く場所を選定します。店舗の契約ができたら内装や外装などの店舗作りを始め、設備や備品の搬入をして開店準備をしましょう。スタッフを雇う場合は人材確保も進めます。
お店ができあがってきたら周囲の方への告知が始まりますが、開業した後もこうしたリピーターを増やすプロモーション戦略を続けていくことが重要です。
また、顧客のフィードバックをもとにメニューやサービスを改善し、季節ごとの新メニューや特別企画を取り入れることで常連客に新鮮さを提供し続けましょう。こうした取り組みにより、顧客満足度の向上やSNSでの拡散による集客力の向上から開業の後押しにつながります。
韓国料理店の開業に必要な資格と届け出
最後に、韓国料理店を開業をする際に必要な資格と届け出について解説します。まずは必要な資格を確認しましょう。
- 食品衛生責任者資格
- 防火管理者
食品衛生責任者は飲食店の開業では必ず取得しなくてはいけない資格で、店舗に1名以上の食品衛生責任者の在籍が義務付けられています。食品衛生責任者の資格を取得していなければ、後述する飲食店営業許可が下りません。各都道府県の食品衛生協会が開催している講習を受講することで取得できますので、詳しい条件は各自治体へ問い合わせて確認しましょう。
防火管理者の資格は、店舗の規模によって取得が必要です。従業員を合わせてカフェの収容人数が30人未満であれば、防火管理者の資格は不要です。カフェの収容人数が30人以上の場合は資格を取得してください。また、店舗の面積によって取得すべき資格の種類が変わります。店舗の面積と席数などが確定したら資格が必要かどうか判断し、消防署や日本防火・防災協会が開催している講習の受講を申し込みましょう。
次は、韓国料理店の開業に必要な届け出です。
- 飲食営業許可
- 深夜における酒類提供飲食店営業開始届出書
飲食店営業許可証がなければ、営業することができません。保健所の立入検査もあるので、内装工事の開始前に相談に行くのがおすすめです。深夜0時から午前6時までの時間帯に酒類を提供する場合は、管轄の警察署で相談するとよいでしょう。
また新しく事業を始める場合は、以下のような届け出が必要になります。
- 個人事業の開廃業等届出書
- 青色申告承認申請書
- 法人設立届出書
- 給与支払事務所等の開設届出書
個人事業の開廃業等届出書は、会社を設立せずに個人で開業する際に届け出ます。会社になると法人設立届出書、従業員に支払いが生じた際に給与支払事務所等の開設届出書などが必要になります。
青色申告承認申請書は必須ではありませんが、青色申告での確定申告を予定している場合は同時に提出しておくとよいでしょう。
また、安定した経営を目指すためには、各種保険への加入も検討しましょう。従業員を雇用する場合は労災保険や雇用保険が必要になり、これらの保険手続きも早めに進めておくと開業がスムーズです。
まとめ
韓国料理店の開業は、韓国の食文化に関する専門的な知識が求められる一方で、韓国ブームの後押しを受けて多くの顧客を集め長く愛される飲食店を目指すことができます。
特に、若者を中心に人気のSNS映えするメニュー開発や、韓国らしい味と雰囲気を提供することが重要です。
韓国料理店の開業にあたっては、必要な準備や許可申請・立地選び・ターゲット層に合ったサービスをしっかりと計画してください。
多くの方に利用されるお店づくりを目指し、成功への一歩を踏み出していきましょう!
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