店長をサポートする、マネジメントサービスの実力
創業店が軌道に乗り、売上が安定し出した頃、2店舗目、3店舗目の展開に向けて、本格的に動きだす方は多いのではないでしょうか。創業前から、複数店舗の展開を見据えて、あらかじめ準備をしている方もいるかもしれません。
複数店舗の展開を成功に導くため、欠かせないのが店長を任せられるような人材です。人手不足が深刻化しているため、店舗を出店するつもりがあるものの、適切な人材を採用できずに計画が頓挫してしまうケースは少なくありません。また、人材の成長を待たずに強引に出店したことにより、店舗の立ち上げが計画通りに進まず、好調なはずだった創業店舗の運営にも支障が出てしまったという話もよく聞きます。
ただ的確な人材の採用や、スタッフの成長を待っていた結果、時期を逃してしまうことがあるのも事実です。そこで重要性を高めているのが、テクノロジーの活用に他なりません。店長のレベルが基準に達していなくても、その業務をテクノロジーでサポートすることで、スムーズな店舗運営の実現も不可能ではないでしょう。今回、ヒト・モノ・カネの三つの経営資源のマネジメントをサポートしてくれるサービスを紹介します。
シフト管理サービスの導入の意義
飲食店のヒトについて語るとき、厄介になるのがシフトの作成です。シフトの作成は、多くの場合、店長の役割になるでしょう。ただシフトの作成は、個店だと紙で行うことがほとんどではないでしょうか。コミュニケーションアプリなどでシフトの希望を募り、それを店長がまとめて作成をしていくことになると思います。
しかし、シフトを提出していないスタッフに催促をしたり、提出の方法がばらばらで管理が煩雑だったりと、シフトの完成までにはレギュラーな業務も多いです。全ての希望を集めた後も、足りない日時のスタッフを探さないといけないなど、シフトの作成そのものに時間がかかります。ただ、働き方改革が求められる時代です。作成が終わらないからといって、残業をさせたり、自宅に持ち帰ったりさせることもできません。さらには、やっとのことでシフトを完成させた後も、急な休みで代わりに人材を探す必要があったり、出勤日を勘違いしてスタッフが出勤してこなかったりと、シフトにまつわるトラブルは数多くあります。
こうした一連の課題を解決してくれるのがシスト管理サービスです。提供先によってサービス内容に多少の差はありますが、アプリやサイト上でやりとりして提出方法を統一できる点や、スタッフが提出したシフトの希望も自動で反映をしてくれる機能は共通しています。中には、欠員ができたときの人員の募集をアプリやサイト上で行い、変更したシフトをそのまま反映してくれる機能を持つサービスもあります。効果的で便利な機能が豊富になるので、サービスの導入によって店長とスタッフのコミュニケーションコストを大幅に削減させながら、店長の負担も減らすことができるでしょう。
これだけでもかなり大きなメリットがありますが、さらに便利なのが各店舗のスタッフの出勤日を可視化できることです。紙の場合、コミュニケーションアプリでシフトを共有することはしても、どのスタッフが何日くらいシフトに入っているかまで確認することはあまりしないでしょう。しかし、シフト管理サービスを活用すると、どのスタッフが何日くらいシフトに入っているかをすぐに確認することができます。その結果、一店舗ごとではなく、全店舗の人材の活用を前提にシフトを作成することができるでしょう。「毎週水曜日の夕方はシフトに入ってくれるスタッフがいないから採用をしない」と思っていたら、別の店舗では人が余っていたとなると実にもったいないことです。人手不足の時代に採用にかかる費用や時間を削減できるのはもちろん、一人一人の既存メンバーの力を最大限に発揮させられるメリットはかなり大きいでしょう。

自動発注サービスの実力
飲食店でモノというと原材料を指すことになるでしょう。原材料の管理で必須なのが、受発注管理サービスです。中でも、ここ数年、飲食業界では自動発注サービスがトレンドになっています。自動発注サービスはまだ商品化がされて間もないのですが、ニーズが高まっていることもあり、急速にサービスのクオリティが向上している分野です。
ニーズの高まりの背景には、働き方改革や原材料費の高騰などの社会環境の変化があります。自動発注についても、サービスごとに多少の機能差がありますが、共通する導入メリットは機会ロスと食材ロスを防いでくれる点です。通常、発注は現在の在庫量を確認した上で、天気やイベントなどを考慮して行う必要があるため、相応のスキルがないとできません。そのため、発注は店長が行うケースがほとんどでしょうが、発注には相応の時間がかかります。当たり前ではありますが、店長の仕事は発注だけではありません。売上アップに向けた施策の考案やスタッフのケア、サービスレベルの向上に向けた教育など、やるべきことは山ほどあるでしょう。
しかし、自動発注サービスを導入すると、発注は誰もができる業務になります。自動発注サービスでは売上予測と在庫数を考慮して、適切な発注を行ってくれます。毎年行われている地域のイベントなどがあれば、それも判断に折り込んで発注を行ってくれるサービスもあります。サービスの導入後、自動発注の内容を確認し、微修正をしたら業務が終わるので、店長以外のスタッフが発注を行うケースが多いです。
その分、店長は別の業務に集中することができます。他店との差別化を行い、選ばれる店づくりをする上で、店長を任せられるくらいレベルの高いスタッフを顧客体験価値の向上に当てられるメリットは大きいでしょう。
高性能なPOSレジを活用
カネの管理でいうと、売上の管理が思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。確かに、レジの金銭の管理が問題なくできているということも大切です。しかし、店長には売上などの情報を活用して、いかに目標を達成していくかという視点を求めるオーナーも多いでしょう。売上が上がらないと店舗も存続できないので、その意味で、目標達成こそ店長の最も重要な仕事だといっても過言ではありません。
しかし、目標達成に向けて、効果的な手を打っていくのが難しいのも事実です。そこでお薦めなのが、分析機能がついたタブレット型のPOSレジです。POSレジは競争の激しい分野のため、多くのサービスが非常に高性能で、ABC分析やトレンド分析を行えるものも少なくありません。そうした機能を活用すると、売れているメニューはより出るように工夫をしたり、売れていないメニューを新メニューに差し替えたりする判断もスムーズにできるでしょう。また、売りどきを逃さない戦略を立てることで、これまで以上に売り上げを伸ばすことも不可能ではありません。
さらに便利なのが、他のサービスとの連携です。例えば、先に紹介したシフト管理サービスとPOSレジを連携させたら、売上に対してどのくらいの人件費がかかっているかを分析してくれるものもあります。レジは必ず導入する機器の一つです。だからこそ、店長のポテンシャルを最大限発揮できるように、分析まで行えるものを導入するのがいいでしょう。

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