集客の最大化はこう実現!予約システムのマル秘活用術

飲食店を開業するとき、多くのオーナーがグルメサイトへの掲載と合わせて、予約台帳システムを導入するでしょう。予約台帳は、お店に入ってくる予約の情報はもちろん、席管理や顧客管理も行ってくれる便利なシステムです。紙の台帳で管理すると、予約の内容の記載漏れや字が読めなくて名前を間違えたり、ダブルブッキングが発生することもあります。予約台帳システムはそうした課題を解決し、人の力を最大限に発揮できる環境を整えるため、現在の飲食店経営の必須サービスの一つと言えます。

予約台帳には大きく分けて、グルメサイトが提供するサービスと、予約台帳に特化した会社が提供するサービスがあります。それぞれにメリットとデメリットがありますが、Web予約の重要性が高まっている今、後者の存在感が増しています。

今回、なぜ今Web予約が大切なのかを3つの視点から解説した上で、予約台帳を活用した集客の最大化についてお話しします。

Web予約が必須となる3つの理由

Web予約で先々の予約を埋めていく必要性が高まっている背景には、3つの理由があります。それが「2回転目の需要の弱さ」と「人手不足」「原材料費の高騰」です。それぞれを詳しく解説していきます。

①2回転目の需要の弱さ

コロナ禍で激減した居酒屋需要が、ここ最近回復傾向にあるものの、まだ2回転目の需要が弱いのが現実です。その背景には、テレワークが根付いたり、飲み歩く人が減少したりしたことが原因としてあります。そこで重要なのが、1回転目でしっかりと集客することです。ただ、ウォークインだけで満席にするのは簡単なことではありません。多くの人が出歩く土日ならば、ウォークインだけでも満席にすることもできるでしょう。しかし、悪天候なだけで、それも難しくなります。だからこそ、予約をできる限り取り、それのみで1回転目を満席にするための取り組みが欠かせません。

②人手不足

外食業界の人手不足が深刻です。人手が足りずに、一週間のシフトを組むことに苦労している飲食店も増えています。どの程度忙しくなるか分からないまま、念のためシフトに厚みを持たせたにもかかわらず、集客が芳しくなかったというケースは珍しくありません。その逆も同様です。忙しくならないと思って、シフトに人数を入れなかったら、忙しくなったというケースもありますが、その場合、お客様に対応できずにチャンスロスが起きたり、サービスの質が低下したりします。その中で、予約をしっかりと取れると、ある程度忙しさが計算できて、どのポジションに何人のスタッフが必要なのかも把握することができます。人件費が高騰している今、最適な人数でシフトを決めるメリットは大きいです。既存のスタッフの力を効果的に発揮させたシフトを組めたら、サービスレベルの向上も期待できるでしょう。

③原材料費の高騰

記録的な円安の影響もあり、昨今、原材料費の高騰が続いているため、コストコントロールを適切に行っていかないと、利益が出ない状況となっています。もし忙しくなると踏んで、大量に食材を仕入れたのにもかかわらず、集客がうまくいかなかったら、大量の廃棄が生まれてしまい、フードコストの高騰が経営を圧迫してしまうでしょう。しかし、ある程度の集客の見込みが立っていたら、どの程度、仕入れを行い、仕込みをすればいいのかも明確になります。それがロスの軽減につながり、結果としてフードコストをおさえることにつながるのは間違いありません。

即予約を取れる環境を整備する必要性

「2回転目の需要の弱さ」と「人手不足」「原材料費の高騰」の3つの理由から、Web予約を積極的に取る重要性がご理解いただけたと思います。しかし、Web予約をとり続けるのは簡単なことではありません。特に、難しいのが直前予約です。直前予約は、来店時間の30分前から1時間前に入ってくる予約を指します。Web予約の広がりを受けて、最近、非常に増えている予約スタイルです。直前予約の取り込みを難しくしているのが、以下の2つの要因です。

①グルメサイトと予約台帳の連携

グルメサイトが提供する予約台帳だと、自社が運営するグルメサイト経由の予約は自動で取り込んで配席まで行ってくれるものの、他社のグルメサイトからの予約はスタッフが手作業で対応する必要があります。とはいえ、営業時間中は、常に予約台帳を確認しているわけではないため、他社のグルメサイト経由の予約をすぐに確定させることができません。しかし、お客様の方は予約が取れていると思い、来店されるケースも多いです。そうなると、ダブルブッキングになってしまい、さらなるクレームを呼んでしまうでしょう。そうしたリスクを恐れて、営業時間中はWeb予約を停止してしまう飲食店も少なくありません。

②ウォークイン客の管理

直前予約を受け付けるには、予約台帳の席在庫の最新情報を、常にグルメサイトに反映させないといけません。サービスによっては、どのグルメサイトからの予約も自動で受け付けることができます。しかし、ウォークイン客の管理ができていないと、リアルタイムの席在庫をグルメサイトに反映させることができません。そこで大きな業務負担を感じて、直前予約の取り込みに挫折する飲食店が多いです。ただサービスによっては、ウォークイン客の入力をワンタッチでできるものもあります。多くの飲食店が、席在庫の最新情報をグルメサイトに反映させることに苦労しているということは、それができれば大きな差別化になり、集客も増加するでしょう。

選ぶべき予約台帳システムとは

直前予約の取り込みを阻害する2つの要因を解決できたら、スムーズに直前予約を受け付けることができます。ただ、一点注意が必要なのはコストです。グルメサイトが提供する予約台帳は、そのサイトに掲載していれば無料で使えるものが多いのですが、予約台帳に特化した会社が提供するサービスは基本的に有料になります。つまり、①と②をクリアするには、相応にコストをかけないといけないということです。しかし、その分、予約の最大化が図れて売上が上がるため、投資対効果は大きいでしょう。

うまく予約台帳システムを活用すれば、限られた人数で、最大限の集客を実現し、売上のトップラインも上げることができます。外食需要の先行きが読みづらい中、そのメリットの大きさは計り知れません。

ここ数年、予約台帳システムにも新しい流れが起きています。それが電話予約です。電話対応はお店の業務の中でも手間と時間がかかり、非常に厄介です。忙しい時間帯にかかってくることも多く、目の前のお客様よりも電話を優先せざるを得ない場面も少なくありません。そこで電話が鳴っているものの、あえて対応をしない飲食店も多いです。そうした電話を取りなく課題を解決するため、AIを活用した電話対応サービスが登場しています。AIが予約などの電話に対応する一方で、個別具体的な案件は店舗に転送する仕組みとなっていて、お店の電話対対応の業務が軽減できるとあって、日に日に注目度が高まっています。

ただ、その場合も、席在庫のリアルタイムの情報は必須です。次世代のサービスを使いこなすためにも、直前予約を受け付けられる体制を整える意味はあるのではないでしょうか。

【無料ツール】飲食店開業にどのぐらいの費用がかかってどのぐらい利益がでるの?簡単シミュレーション