何坪あれば飲食店が開業できるのか?お店の広さを決める4つの重要ポイントを解説!
飲食店の開業時に物件を選ぶ際の重要な要素に「お店の広さ」があります。
特に、はじめての飲食店開業の際には、どのぐらいの広さが必要になるのか迷う方も多いかと思います。飲食店経営の上で、お店の広さは売上と利益、お店のイメージに直結するため重要です。
本記事では、飲食店開業に必要なお店の坪数や業種別の席数、店舗レイアウトの考え方などを解説します。
飲食店に必要な物件の坪数とは?
飲食店を開業するために必要な物件の坪数はどのぐらいなのでしょうか?
一般的には、業態を問わず10坪以上あれば開業可能と言われています。1坪とは1辺が約1.8mの正方形の土地を表す単位で、約3.3㎡、たたみ2畳分の土地のことです。
飲食店に必要とされる10坪以上の物件とは、たたみ20畳以上の物件となります。
10坪未満の物件で飲食店ができない訳ではなく、「極小店舗」と呼ばれる10坪未満で営業する店舗もあります。極小店舗として営業する業態には、バーやラーメン店などのカウンター席のみの業態やテイクアウト専門店などです。
お店の広さを決める際には、「厨房とホールの割合」と「確保したい席数」2つの観点からの検討が必要です。
限られた敷地のなかで、厨房とホールの割合をどの程度に設計するかを業態やお店のコンセプトから考えます。
調理作業を重視し厨房を広くすると、ホールが狭くなり席数が少なくなります。
反対に、席数を多く確保するためにホールを広くすると、厨房は狭くなり調理作業が制限されます。厨房とホールの配分は、お店の業態や提供可能なメニューと売上に大きな影響を与える要素です。
売上目標と作業効率のバランスを考えた店舗レイアウトの検討が大切です。
お店の広さとレイアウトを決める「4つのポイント」
飲食店の開業時にお店の広さやレイアウトを決定する上で欠かせない「4つのポイント」を紹介します。
厨房面積比率
「厨房面積比率」とは、店舗レイアウトの大枠としてホールと厨房を分けた際の、厨房が占める面積の割合をさします。
厨房面積比率は、お店の業態によって異なり、お料理メインの業態は厨房比率が高めに設定されます。
一般的な厨房面積比率の目安としては以下のような割合です。
- 一般的なレストラン 厨房30〜40%:ホール70〜60%
- 居酒屋、イタリアン、フレンチなど 厨房20〜30%:ホール80〜70%
- カフェ、バーなど 厨房10〜20%:ホール90〜80%
上記の目安からもわかるように、料理メインの業態は厨房の割合が高くなり、ドリンクメインの業態になると厨房の割合が低くなる傾向があります。
ただし、同じ料理メインの業態でも、調理工程がシンプルでメニュー数が少ない業態は厨房比率が低くなるケースもあります。
たとえば、イタリアンやフレンチなど料理メインでも、調理スタッフの数を絞り、メニュー数も絞られた業態では厨房比率が低くなります。
客席数
「客席数」は、店舗フロアに設置する客席の数のことで、お店の収容可能人数を表します。客席数は、売上に直結するため飲食店経営上の重要指標のひとつです。
売上を重視し客席数を多くする場合、厨房面積が狭くなるため調理作業の効率や提供できるメニューに影響がでます。また、客席数の増減は座席やテーブル同士の間隔にも影響します。座席とテーブル同士の間隔は、「飲食シーン」と密接な関係を持っています。
たとえば、客単価5000円以上を設定するレストランで、隣り合うテーブルとの間隔が狭く、落ち着いた雰囲気で食事を楽しみにくい状況では、お店のコンセプトとフロアの座席環境が不一致で集客にはつながりません。
そのため、業態に応じて1坪あたりに設置する客席数の調節が必要です。
1坪当たりに設置する客席数の目安は以下のとおりです。
- 一般的なレストランなど:1坪あたり2席
- 高価格帯の飲食店 :1坪あたり1席
- 低価格帯の居酒屋 :1坪あたり2.5席
1坪当たりの客席数は、お店のコンセプトを示します。
お店がターゲットとする客層や飲食シーンを意識した座席数の設定が大切です。
客席稼働率
「客席稼働率」とは、客席が稼働している割合のことで満席状態を100%とします。
一般的には、客席稼働率は70%以上を維持することが目標とされます。客席稼働率が特に重要となるのは「テーブル席」です。
たとえば、4人掛けのテーブル席を1名のお客さまが使用していると稼働率は25%となってしまいます。
一方で、2名以下での来店が多い店舗で4名掛け以上のテーブル席を多く設置すると客席稼働率が悪化します。
このように客席稼働率をアップさせるためには、業態やターゲットの客層に合わせた座席レイアウトを組む必要があります。
スタッフ数
ホールでの接客やキッチンでの調理を担当する「スタッフの人数」もお店の広さや客席数を決める上で重要です。
目安としては、ホールではスタッフひとり当たり4テーブルと言われています。1テーブル4名としてホールスタッフ一人で16名までの対応が目安となります。
キッチンは業態や厨房機器でスタッフ数が変わりますので自分が希望する業態に適したキッチンスタッフの人数は検討しましょう。
またスタッフと席数のバランスはお店の価格帯や雰囲気、サービス内容や商品の提供スタイルなどに合わせて調節することも重要です。
お店のコンセプトや業態に合わせた店舗面積とレイアウトを考える
お店の広さやレイアウトを考える際には、お店のコンセプトや業態に合わせた検討が必要です。
お店の広さと業態の関係を考える参考として、狭い店舗が向いている業態と広い店舗が向いている業態をそれぞれ紹介します。
店舗面積が狭い店舗が向いている業態とは
ラーメン店やカフェ、バーなどはカウンター席を中心として、限定的なフードメニューやドリンク中心の業態は、面積の狭い店舗でも対応が可能です。
面積が狭いお店のメリットは、家賃や人件費など固定費の削減が可能な点や調理や接客などの営業オペレーションを効率化できる点があります。
ラーメン店や焼き鳥店、カフェやバーなどの業態は、カウンター席を中心にした狭い店舗のほうが業務効率が良く、調理工程の少ない料理メニューやドリンクを中心にした店舗経営が可能で、狭い店舗のメリットの活用ができます。また寿司など高単価業態も適しているでしょう。
店舗面積が広い店舗が向いている業態とは
幅広いメニューラインナップを持ち、お料理をメインにする業態は店舗面積が広いほうが適しています。
お料理をメインとするレストラン業態の多くは、一定規模以上の厨房が必要である点や家族連れなど4名以上でのグループ客をターゲットとする点などから広い店舗が必要です。
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お店の広さは。飲食店の物件を選ぶ際の重要なポイントです。
お店の広さは、客席数や厨房の広さ、お店のイメージやスタッフの数など飲食店経営の根本となるさまざまな要素に大きな影響を及ぼします。
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