飲食店の開業資金はいくら必要?相場や調達方法も含めた資金計画ガイド
飲食店を始めたいと考えたときに、開業資金がいくらかかるのか見当がつかないというお悩みをお持ちの方もいらっしゃることでしょう。本記事では、開業資金の目安、資金の調達方法、開業資金をおさえる方法について解説していきます。
これから飲食店の開業をお考えの方、初めて開業する方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
飲食店を始めたい!しかし意外と必要な開業資金
飲食店を開業してから、多くの方が資金繰りや資金調達に頭を抱えるようです。想定外の費用など、開業前の計画が足りていないことも理由のひとつです。まず、開業に必要な資金について解説していきます。
比較的小規模の飲食店の開業資金は、一般的に1,000万円程度が目安 となります。必要なのは大きく分けて、物件取得費用、開業前の諸経費、開業後の運転資金、生活資金の4種です。順に詳しくみていきましょう。
物件取得費用
店舗用物件の取得費用です。その内訳は保証金、礼金、仲介手数料などで、大まかには家賃の10倍程度の費用がかかると想定するとよいでしょう。
- 保証金…家賃の3~10カ月程度
- 礼金…家賃の1~3か月程度
- 仲介手数料…家賃の0.5~1か月程度
が一般的な相場です。
それに加え、居抜き物件の場合には造作譲渡費がかかります。
居抜き物件とは、内装や設備をそのまま引き継げる物件で、引継ぐための費用を前の借主に支払います。内装の質や経過年数などで費用に変動があります。
開業前の諸経費
店舗環境の初期投資費用で、お店の内装・外装、空調設備費、厨房、テーブル、椅子、食器、ユニフォームなどの備品が該当します。小規模店舗の場合、開業前の初期投資費用は、1坪あたり60~100万円を目安にするのが一般的とされています。開業資金の中でも、比重が大きくなる費用です。
開業後の運転資金
お店がオープンした後にかかる費用です。お店の家賃、光熱費、従業員がいればその人件費、食材などの仕入れ、広告費などが該当します。
1か月に必要な費用の3~6か月分が運転資金として必要です。
日本政策金融公庫の調査 によると、お店が軌道に乗るまで6カ月かかるというデータもありますから、開店当初は、お店の利益から運転資金を捻出するのが難しいのが現状です。最低でも3か月分、できれば6か月分の運転資金を用意しておくとよいでしょう。
生活資金
準備しておくのを忘れがちなのが、ご本人の生活資金です。こちらもお店が軌道に乗るまでは、お店の利益から捻出するのは難しいと考えた方がよいでしょう。
家族構成により金額は変動しますが、3~6カ月程度の生活資金を確保しておきましょう。
運転資金として含めて考える場合もあります。
また、お店の開業に合わせて住まいを引っ越しされる場合は、引っ越し分の資金も忘れずに確保してください。
飲食店の開業資金の集め方
先述しました通り、飲食店の開業資金の目安は1,000万円です。次に開業資金の集め方をご紹介します。
自己資金
飲食店開業にあたって「自己資金0でも開業できる」といったうたい文句を目にすることもありますが、現実には難しいと考えた方がよさそうです。自己資金がなくても開業できるのは、オーナーがいる場合や出資者がいる場合など、特別なケースです。
お店が軌道に乗るまでは、売上が厳しいときを乗り切るための運転資金が必要です。運転資金を調達するには、自己資金が必要になります。融資の審査には、自己資金も審査対象になるためです。
飲食店開業を目指すのであれば、事前に自己資金をしっかりと貯めておきましょう。
金融機関からかりる
飲食店の開業資金を全て自己資金でまかなえる方は、多くはないでしょう。資金調達には、金融機関から融資を受ける方法があります。
■日本政策金融公庫
初めて飲食店を開業する際は、国が運営する日本政策金融公庫の融資制度を利用するのがおすすめです。
「新規開業資金」は、「新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方」を対象とした融資制度です。
無担保・無保証でも融資を受けやすく、低金利で借りられるのがメリットです。審査に通れば、最大7,200万円(そのうち運転資金4,800万円)までの融資が可能です。
■銀行または信用金庫の融資制度
金融機関が直接融資をするプロパー融資と信用保証協会が間に入る信用保証付き融資があります。事業実績がないうちは、プロパー融資の審査に通りにくいので、信用保証付き融資の利用を検討するとよいでしょう。
信用保証付き融資は、万が一、本人が破産などで借入金を返済できなくなった場合に、保証協会が立て替えて返済をしてくれます。ただし、立て替えてもらった分は信用保証協会に返済する必要があり、また信用保証付き融資を利用する場合、「信用保証料」がかかることにも注意しましょう。
親族からかりる
親族からかりれば、金融機関でかりるときほど利息がかからないことが多いのがメリットといえるでしょう。
後にもめごとに発展するのを避けるためにも、返済義務や返済期間などについては、書面にしておくことをおすすめします。
また、親族から集めた資金は自己資金と認められない場合もあります。
自己資金と認めてもらうためには、贈与契約書を締結する、親族名義の口座から直接振り込んでもらいお金の流れをはっきりさせておく、などの対応が重要です。
クラウドファンディング
起案者が不特定多数の支援者から、支援を募ることが出来る仕組みです。支援者1人あたりの支援を少額から募ることができ、専用のプラットフォームを利用すれば手軽に支援を募ることが出来るのがメリットです。
一方で、必ずしも目標額の支援が集まるとは限らないというデメリットもあります。支援が集まるか否かは、起案者の熱意や見せ方などのプレゼンテーションと、リターンの魅力が鍵となります。
資金調達のほかに、認知度を高めるなど広報的機能としても活用できるでしょう。
飲食店の開業資金をおさえる方法
飲食店を開業するにあたり、少しでも開業資金を少なくおさえたいとお考えの方も多いことでしょう。ここでは、開業資金をおさえる方法をご紹介します。
居抜き物件をかりる
前の借主の内装がそのまま残っている状態の物件が居抜き物件です。内装や設備にかかる費用をおさえられるというメリットがあります。
ただし、造作譲渡費がかかりますので、実態に見合った費用であるかは慎重に判断する必要があります。設備の老朽化や故障などのリスクもありますので、譲渡の際には、造作譲渡目録を作成し、必ず前所有者立ち合いのうえ、動作確認をしましょう。
厨房機器などを中古品でそろえる
備品の中でも、厨房機器は高額です。
厨房機器だけでも中古品で揃えると、初期費用をおさえることができます。また、テーブルや椅子は、インテリアショップのアウトレット品を購入するのも、費用をおさえるのにおすすめです。
DIYできるものはする
壁や床の塗装、照明器具や棚の取り付けなどをDIYする方法も検討できます。できるだけ自力で対応すれば、それだけコストをおさえられます。
とはいえ、DIYの工具や材料を揃えるとそれなりに費用や労力がかかりますので、まず内装会社に相談してみることや、依頼した際の費用と比較検討をする方がよいでしょう。
リースを利用する
リース会社が保有する設備や備品に対して、リース料を支払って使用する仕組みがあります。購入するよりも初期費用がおさえられ、メーカーからのアフターサービスを受けられるのがメリットです。
一方で、トータルでみたときに購入するときよりも割高になる傾向があります。加えて、契約期間は4~7年が多いなど、長期を前提としていますが、途中解約はできません。万が一廃業した場合、残額の支払いが必要になる可能性があります。契約時に確認してください。
あなたの作りたいお店はいくら必要 ?
飲食店の開業が初めての方は、開業資金の計画といっても、なかなかイメージがつかないこともあるでしょう。想定する売上規模から、開業資金を算出してみるのもひとつの手です。
店舗の家賃は売上の10分の1が目安といわれています。また、初期投資額は60~80万円×坪数が一般的な計算方法です。
オミセクラフトには、損益シミュレーションのツールをご用意しております。難しい項目はありません。5STEPで入力するだけで、利益や必要な初期費用がすぐに簡易的に計算できます!
【無料ツール】飲食店開業にどのぐらいの費用がかかってどのぐらい利益がでるの?簡単シミュレーション
まとめ:飲食店の開業資金は余裕もって計画を
本記事では、飲食店の開業資金の相場や調達方法についてご紹介しました。
開業資金がいくらかイメージがわかないという場合には、オミセクラフトの損益シミュレーションを利用すれば簡単に目安がわかります。さらに詳しく相談をしたい方は、オミセクラフトの無料相談までお気軽にお問合せください。