飲食店を開業するには何をしたら良いの?やるべきことを抜け漏れなく解説!
飲食店の開業をする際にやるべきことは多く、開業準備はとても大変です。
「これを調べて、次は別のものを・・・」となってしまうと、抜け漏れが発生してしまう事
項が発生してしまうこともあります。飲食店の開業準備において抜け漏れがあると軌道にの
るまで時間がかかってしまったり、トラブルに発展してしまう可能性があるので、丁寧に一
つずつタスクをこなしていくとよいでしょう。
この記事では飲食店の開業をお考えの方に向けて、やるべきことを抜け漏れなく整理できる
ように順序立てて解説します。
開業前はやることが盛りだくさん
飲食店開業に必要なことを以下に列挙します。
- コンセプトの作成:12〜6か月前
- 事業計画の作成
- 物件探し・市場調査
- メニュー開発・仕入れ業者選定
- 資金確保・調達・借入
- 店舗内外装の設計・施工:6〜3ヶ月前
- 各種資格取得・届出関係の手続き(営業許可は1か月前を目安)
- 各種備品類の購入
- SNS運用・ホームページ作成
- プレオープン・レセプション(1週間前)
一つずつ詳しく解説していきます。
コンセプトの作成
飲食店におけるコンセプトとは、どのようなお店にするか方向性を定めることをいいます。
コンセプトを決める際には5W2Hで考えると抜けや漏れが少なくなります。例をあげると以下
のようなものです。
- 飲食店の特徴・開業理由:「なぜ」
- メインターゲットとする顧客:「誰に」「何を」
- 開業時期:「いつ」「どこで」
- 料理の内容~料金設定:「どのように(いくらで)」
コンセプトを明確にしておくと飲食店の魅力がダイレクトに伝わりやすくなります。顧客の
ニーズが一致していれば、来店後の顧客満足度も高くなる傾向にあります。コンセプトに沿
った事業計画を作成することによってブレない経営を続けられますので、開業後にも定期的
に見直してズレがないか確認することが重要です。
開業前の目安所要期間:12か月から6か月前まで
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コンセプトを明確化する重要性
事業計画の作成
飲食店を開業する際に最も大切になるのは事業計画です。事業計画は作成したコンセプトを
もとに事業の内容や取り扱うサービスを具体化し、どのようなターゲットへ、どのようにア
プローチするかなどを具体的な数値に落とし込んでいきます。
ちなみに銀行から融資を借りる場合にも事業計画の提出が必要となります。
事業計画を立てる際に役立つツールとしては、コンセプトシートと呼ばれるシートを用いて
お店の土台にあたる計画を作成します。コンセプトシートに記載する主な内容としては、以
下のようなものがあります。
- コンセプトの内容
- メインターゲット
- 店舗の立地条件
- 利用動機
- 想定客単価
- プロモーション方法
上記に挙げたような内容を明確化しておくと軸が固まってくるので、一番はじめに決めてお
く必要があります。
開業前の目安所要期間:12か月から6か月前まで
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物件探し・市場調査
コンセプトが決まったら、ターゲット層に適した物件を探し始めます。物件のある土地周辺
の市場を入念に調査していき、「どのようなニーズがあるのか」「どのような商品が適して
いるのか」などの確認が必要です。出店場所(立地)は一度決めたら簡単に変更することが
できません。事業を左右する大きな決定になるので、入念に調査を行いましょう。
開業前の目安所要期間:1年から6か月前まで
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メニュー開発・仕入れ業者選定
飲食店でどのようなメニューを提供するか検討します。メニューの例を挙げると、30代女性
をメインターゲットとするなら「映えるスイーツ」、20代男性をメインターゲットにするな
ら「食べごたえのある肉料理」などが考えられます。
また、メニューに応じて仕入れる材料が決まってくるので、適した業者の選定を初めておき
ましょう。仕入れ業者によっては業界の流行りなどの情報を共有してくれる場合もありま
す。価格だけで決めるのではなく、長い付き合いになることを想定して相性を考慮すること
も大事です。
開業前の目安所要期間:1年から6か月前まで
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資金確保・調達・借入
事業を長く続けていくためには資金力が最も大切になります。店舗を運営していく上でどの
くらい資金が必要なのか、自己資金だけで足りそうにない場合は銀行からの借入(融資)が
いくら必要なのかを検討します。日本政策金融公庫 総合研究所の2021年度新規開業実態調
査によると、新規開業費用として500万円以上の割合は57.9%となっており、金融期間等か
らの借入による資金調達は平均803万円となっています。
また同調査によると、開業時に苦労したこととして57.6%が資金繰り・資金調達に苦労した
と回答しているため、借入をする可能性がある方は早めに準備に取り掛かっておくと安心で
す。
開業前の目安所要期間:1年から6か月前まで
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店舗内外装の設計・施工
実際に開く店舗のデザイン設計を行い、施工をします。
店舗の内外装はお店の顔となる部分なので、一般的には専門のデザイナーや建築業者に任せ
る場合が多く見受けられますが、DIYで行う場合もあります。とはいえ、上手く施工できず
に店舗をオープンしてしまうと、ケガや事故につながる恐れもあるので危険です。長期間営
業すると内外装のメンテナンスも必要になるので、頼れる業者との関係性を築くためにも設
計段階からプロに任せておいたほうが安心です。
開業前の目安所要期間:6ヶ月から3か月前まで
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各種資格取得・届出関係の手続き
飲食店を営業するに当たって必要な資格は2つあり、「食品衛生管理者」「飲食店営業許
可」があります。これらの資格・届出に不備がある場合は、法律で罰則が科される可能性が
あるので注意しましょう。
食品衛生管理者は「食品を取り扱う事業所において配置すること」が法律で義務づけられて
います。
飲食店営業許可は、食事を提供する飲食店において必須の許可です。店内で調理した料理や
0時までのお酒の提供が可能となります。
また収容人数が30人以上の施設においては「防火管理者」の資格が必要になります。収容人
数が多くなる場合は忘れずに資格を取得しておきましょう。
資格の取得方法に関する詳細な情報や、具体的な手続きについては、管轄する行政機関に直
接お問い合わせください。
開業前の目安所要期間:6ヶ月前(飲食店営業許可は1か月前)
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各種備品類の購入
飲食店を営業していく上で必要な備品類を購入し、オープンに備え始めます。厨房設備や音
響、空調設備はもちろんのこと、来客が使用するテーブルや椅子、カトラリーも必要です。
おしぼりやペーパーなどの小物は「いつでも買える」と思いがちです。直前に慌てて準備と
なってしまうことがあるので、備品類はチェックリストで管理することをおすすめします。
開業前の目安所要期間:6ヶ月前
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SNS運用・ホームページ作成
昨今の飲食店はSNS・ホームページが必須といえます。その理由は、店舗の状況を逐一発信
することができるからです。基本的には無料で使うことができるため、多くの見込み顧客へ
リーチするためにSNS運用を行いましょう。準備段階から発信を始めておくと、店舗ができ
るまでのストーリーを見て共感してくれる方も少なくありません。オープン前にファンを獲
得できる可能性があるので、SNSでの発信は得策であるといえます。
ホームページを作成していると、事業コンセプトなどオーナーの想いを伝えやすくなりま
す。それだけでなくお店への信頼感も高まるので、ホームページを作っておくことをおすす
めします。
開業前の目安所要期間:6ヶ月前
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プレオープン(レセプション) 所要期間:1週間
オープン前には関係者や友人・知人などをお招きし、料理やドリンクの提供を行う「プレオ
ープン(レセプション)」を行うと安心です。実際の提供に伴う調理・配膳などのオペレー
ションや作業導線の確認を行い、本オープンに向けての最終調整を行いましょう。
プレオープンでは、お客様となってもらう方々にサービスを体感してもらった感想としてフ
ィードバックをもらうことが大切です。このときにもらった意見は「生の声」なので、本オ
ープン前にサービス内容の課題を改善したり、足りなかった備品を取り揃えるなどしておき
ましょう。
お客様が安心して楽しめるお店になるようにいただいた意見を無下にせず、素直に受け入れ
ることが大事です。
開業前の目安所要期間:1か月前
まとめ:飲食店の開業準備は大切。抜け漏れがないように!
今回の記事では、飲食店の開業準備について時系列順に紹介しました。
やるべきことを振り返ると以下のようになります。
- コンセプトの作成:12〜6か月前
- 事業計画の作成
- 物件探し・市場調査
- メニュー開発・仕入れ業者選定
- 資金確保・調達・借入
- 店舗内外装の設計・施工:6〜3ヶ月前
- 各種資格取得・届出関係の手続き(営業許可は1か月前を目安)
- 各種備品類の購入
- SNS運用・ホームページ作成
- プレオープン・レセプション(1週間前)
しっかりと計画を立てていても、実際に動き出してみると不具合も生じる可能性はありま
す。最低でも1年前から入念に準備をしておくことをおすすめします。