カフェの内装デザインで成功!集客アップのポイントと費用を解説
カフェを開業するにあたり、内装のデザインは、その後の経営を大きく左右する重要な要素です。おしゃれな内装は、お客様の心をつかみ、集客率アップへと繋がります。
しかし数多くのカフェがある中で、自分自身の店舗をどのようなデザインにするべきか悩んでいる方は少なくないでしょう。
この記事では、カフェの内装デザインを決めるうえでのポイントや注意点、内装工事の費用に関する情報をまとめて解説します。
カフェの内装の重要性
さまざまな飲食店があるなかでも、カフェは日常生活の疲れを癒すために赴く場所として活用されることも少なくありません。そのためお客様が店舗を選ぶ際には、そこで提供されているメニューだけでなく空間の雰囲気が重視されるでしょう。
お客様にもっとここに居たい、また訪れたいと思ってもらえる内装デザインなら、集客率が上がりリピーターも獲得しやすくなります。
おしゃれで居心地の良いカフェの内装とは
新しくカフェを始めるにあたり、おしゃれで居心地の良い空間を作ることは、多くのオーナーにとってカフェ作りのひとつの指標となるでしょう。しかし、内装の系統によってイメージは大きく異なります。
まずはカフェの内装を大きく4つのジャンルに分け、それぞれの特徴を紹介します。
ナチュラル系
SDGsや脱炭素への取り組みへの関心が高まる中、木材など、環境に配慮した素材を使用したナチュラル系のカフェの人気が高まっています。床や壁に木材を使用したり、木目調の家具を採用することで、温かみのある雰囲気を演出できます。
木材や石など、自然素材を使用した内装はリラックスできる空間を演出してくれます。老若男女問わず入店しやすいため、幅広い世代の方をターゲットにできるでしょう。さらに愛着心を高める効果もあり、リピーターを獲得しやすい傾向にあります。
観葉植物を店内の各所に配置するのもおすすめです。
ポップ系
ビビッドカラーやビタミンカラーなど、明るい色彩を基調とした内装のカフェは、ポップ系に分類されます。華やかでインパクトのある空間は、学生、カップル、子ども連れなど、若年層を中心に人気を集めるでしょう。写真映えもしやすく、SNSで拡散されやすいのもメリットです。
色味を抑えたパステルカラーを基調にすれば、明るくポップな印象はありながらも、かわいらしさや優しい雰囲気を演出できます。内装の色彩に加え、個性を感じる家具やアートを取り入れるとさらに印象的なカフェが作れるでしょう。
レトロ系
若年層を中心にレトロブームが起きていることから、純喫茶のようなレトロな内装のカフェも増加傾向にあります。古き良き時代を思わせる壁紙やアンティーク調の家具を配置したカフェは、タイムスリップしたかのような懐かしさを感じさせてくれます。
また温かみのある暖色の照明や厚みのあるカーテンにより、店内全体を適度に暗くすると落ち着く空間になるのもポイントです。アットホームな雰囲気と非日常を味わえるレトロ系のカフェは、お客様が面白味を感じ、ゆっくりと時間を過ごしたくなる魅力を持っています。
ラグジュアリー系
高級感のあるラグジュアリー系のカフェは、日常を特別なものに変えてくれる空間として好まれています。高級志向のお客様や、カフェでは時間を気にせずゆったりと過ごしたいという方に選ばれやすい傾向です。提供するメニューにこだわりがあり、単価が高めのカフェではラグジュアリー系の内装が受け入れられやすいでしょう。
内装や家具に高級感のある素材やハイグレードなものを使用することで、ラグジュアリーな雰囲気を演出できます。例えば、床はタイル張り、壁や天井は漆喰仕上げにすることで、ヨーロッパ調の格式高い空間を作り出せます。洗練されたデザインの家具や設備を配置することで、店内のどこにいても特別感を感じられるでしょう。
カフェの内装をデザインするポイント
内装の大まかな系統が決まったら、次は詳細にイメージを膨らませて実際に内装を整えていく工程です。初めて内装のデザインに携わるオーナーにとって難しく感じるかもしれませんが、次の5つのポイントを考慮しながら、内装デザインを検討してみてください。
カフェのコンセプトを決める
カフェの内装を考えるうえで、まずはコンセプトを決めることが重要です。カフェのコンセプトがはっきりしているなら、前述した内装の系統が決めやすくなります。
コンセプトを明確化するためには、6W2Hを意識することが重要です。
- Why:なぜカフェを開業したいか
- When:いつオープンさせたいか
- Where:どこで営業したいか
- Who:誰が経営を行うか
- Whom:誰に向けたカフェなのか
- What:何を提供するか
- How to:どのように経営を行うか
- How much:内装にかけられる予算はいくらか
上記の項目を考慮してコンセプトを固めておくと、内装の設計・工事を請け負う業者にもイメージを共有しやすくなります。
また、明確なコンセプトがある店舗はお客様にもより具体的なイメージが伝わるため、集客面でも成果を得やすいといえます。
ターゲットの客層を明確にする
コンセプトが絞り込めたら、次にターゲットの客層を考慮します。つまり、すでに考慮した『誰に向けたカフェなのか』をさらに細分化し明確にする工程です。
例えば、「個人のお客様が利用しやすいカフェ」という漠然としたターゲット設定では、見込み客や新規客の獲得イメージが湧きにくいものです。一方、「近隣の駅を利用する会社員」や「30〜40代の女性」というようにターゲットを絞り込むことで、その客層に合わせた内装を検討しやすくなります。
若年層をターゲットにする場合には、SNS映えするデザインを取り入れるのも良いでしょう。客層が決まるとカフェ自体の方向性も定まり、内装で独自性を表現しやすくなります。
居心地のよさを意識する
カフェを利用する方は、メニューを楽しむだけでなく、その場所でリフレッシュしたり会話をしたりする時間を楽しみにしている傾向があります。特に年齢層が高くなる程、カフェに居心地のよさを求める方は増えていきます。そのため、内装を決めるうえでも、常に居心地のよさを意識するのが大切です。
居心地のよさを演出する際には、使用する素材や色彩に注目しましょう。前述したように木や石などの自然素材を取り入れると、リラックスできる空間を作りやすいです。
また色彩にはオレンジ系を採用すると、温かみのある雰囲気になります。なるべく内装全体を同系色でまとめる方が統一感があり、お客様に好ましく感じてもらえるでしょう。
自分自身がどのような内装に居心地のよさを感じるかを基準にしてみるのもおすすめです。
店舗の雰囲気に合う照明を選ぶ
照明は内装の雰囲気を引き立てる重要な役割を果たします。内装の色彩と同様に、照明の光の色味も暖色系だと、より親しみやすく楽しい空間が作れるでしょう。一方で白色に近い光であればクリーンな印象があり、清潔感や落ち着いた雰囲気をアピールできます。
また、照度によっても受けるイメージは異なるため、併せて考えてみてください。
コンセプトに合う家具や雑貨を選ぶ
最後に、家具や雑貨を選びます。店舗の個性を演出する家具や雑貨などのインテリアは、慎重に選ぶ必要があるでしょう。その際に重視すべき点は、インテリアの色が内装の色彩とマッチするかに加えて、取り入れたいと考えているアイテムがカフェのコンセプトに合うかどうかです。
例えば、子ども連れをターゲットにしたポップ系のカフェであれば、子ども向けのかわいらしいデザインのインテリアを積極的に取り入れるのがおすすめです。対照的に、高級志向の女性をターゲットにしたラグジュアリー系のカフェであれば、上品でスタイリッシュなインテリアの方が場の雰囲気に馴染むでしょう。
さらにお客様が直接触れる床や椅子などの素材は、利用のしやすさや居心地のよさに直結するポイントです。全体の内装とともに、インテリアもこだわりを持って選ぶことが集客につながります。

カフェの内装をデザインする際の注意点

カフェの内装をおしゃれにデザインできたと感じていても、オープンするとお客様の反応が悪かったり営業のしにくさを感じたりするケースがあるでしょう。
内装を決定してから後悔しないように、前もって意識しておくべき点を解説します。以下の3つの注意点をふまえて、検討中のデザインに問題となりそうな点がないかチェックしてみましょう。
居心地のよさを重視した備品を選ぶ
居心地のよさは細やかな気配りで作り出せるものです。カフェは椅子やソファに座ってゆったりと時間を過ごす場のため、テーブルや椅子・ソファの高さが使いやすいものを選ぶことは大切です。
見た目のおしゃれさだけで備品を選ぶと、使い勝手が悪く、お客様にストレスを与えてしまう可能性があります。多くのお客様にとって、居心地の良い空間と感じられるような備品選びが、集客率アップのポイントです。
また長時間利用して欲しい場合には、コンセントやWi-Fiが使える環境を整えるのもおすすめです。リモートワークや勉強で利用しやすいカフェであれば、幅広い用途で利用してもらいやすくなります。
店舗コンセプトに合わないデザインを避ける
お客様に飽きられないよう、ある程度の多様性を取り入れることは良いことです。しかし、異なる要素を過剰に取り入れると、内装の統一感が損なわれてしまいます。そのため、店舗コンセプトから逸脱しないよう、常に注意する必要があります。
デザインに迷った場合には、再度コンセプトを振り返りましょう。そしてターゲットとする客層に受け入れられるデザインかも考えてみてください。知り合いや内装業者など、第三者の意見を聞いてみるのも参考になります。
店内の導線が悪くならないように注意する
見た目の印象は重要ですが、実際の使い勝手が良くないとリピーターの獲得は難しくなります。一見、客席スペースは広い方が良いように思えます。しかし、入口から客席までの動線が長いと、案内やレジ対応に遅れが生じやすくなります。また、テーブルやソファなどのインテリアが大きすぎて通路が狭いと、お客様同士やスタッフがすれ違う際に、トラブルの原因となります。
さらに、スタッフの動線にも注意が必要です。客席スペースを広く取ったことで厨房が狭くなると、メニューの提供の効率が悪くなります。お客様にとってもスタッフにとっても動きやすい動線を確保する点を忘れないようにしましょう。
カフェの内装の費用について
カフェの内装は、こだわる程に費用が想定より高くなりがちです。特に工事費用は店舗の規模やデザインに応じて大きく異なるため、事前に費用の目安を確認しておくことが大切です。
以下に、内装工事にかかる費用の目安を解説します。費用を抑える方法も取り上げているので、費用面で不安を感じる方は参考にしてみてください。
カフェの内装工事にかかる費用の目安
内装デザインの費用は、大きく分けて設計費、工事費、家具・備品費の3つです。設計と内装工事は別の会社が請け負うケースが多いですが、設計事務所が工事業者に依頼したり、工事業者が設計と工事を合わせて請け負う場合もあります。後者の場合は、設計費と内装工事費はまとめて請求されます。
内装工事費の目安は、1坪(約3.3平方メートル)あたりの坪単価で計算ができます。一般的に、カフェの内装工事の坪単価は20〜70万円程度です。ただし物件の種類やデザイン、使用する材料や実際の施工方法に応じて変動します。坪単価を基準として2倍程度を相場ととらえておくと良いでしょう。テーブルや椅子などの備品の購入費用もかかるため、その分も上乗せして準備しておく必要があります。
カフェの内装工事にかかる費用を抑える方法
内装工事費用を抑える方法として、居抜き物件の活用が効果的です。居抜き物件とは、前の店舗が利用していた内装や設備が残っている物件のことです。希望するカフェのコンセプトと合致する居抜き物件が見つかれば、内装工事費用を大幅に削減できます。
また、設計と内装工事を併せて行える業者に依頼することで、費用を抑えられる可能性もあります。設計から施工までを一貫して行える、カフェの内装工事経験が豊富な業者を選ぶと、予算に合わせた提案をしてもらいやすいといえます。
まとめ
毎日忙しく働く現代人にとって、日常の忙しさから離れて居心地良く過ごせるカフェは重要な存在となっています。また、SNSで情報を共有するお客様も多いため、おしゃれな内装にこだわることで集客を増やせるでしょう。
内装をデザインする際には、表現したいコンセプトと店舗全体の統一感への意識が重要です。経営者として費用にも気を配りながら、魅力あふれるカフェを作り上げましょう。
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