飲食店で必要な備品とは?開業前のチェックリスト
飲食店の開業準備には、内装工事や設備の導入だけでなく、備品選びも重要です。飲食店で必要な備品は、種類やアイテム数が多く、漏れなく準備するには計画が大事です。
本記事では、備品リスト作成のポイントや備品の選び方、必要な備品について解説していきます。飲食店を開業予定の方、備品を検討中の方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
飲食店の開業準備には備品の調達準備も必要
飲食店に必要な備品は購入前にリスト化して、計画することが重要です。お店をオープンしてから足りない備品に気づく事態になると、お店の運営にも支障をきたしかねません。
ここでは、備品リスト作成の手順や購入時期について解説していきます。
備品リストを作成しよう
飲食店では、厨房、客席、トイレ、レジ周りなど、様々な備品が必要になります。チェックリストなしに購入を進めていると、手配漏れや予算オーバーが生じやすくなります。それらを防ぐためにも、事前に備品リストを作成しておくことをおすすめします。
備品リスト作成の具体的な手順は以下の通りです。
- 必要な物をリストアップ
- リストアップしたものをカテゴリ分け
- 必要な数量を決定
- 購入先を決定
まず、必要な備品を書き出してみましょう。ひととおり書き出したら、備品をカテゴリ分けして整理すると、その後のステップを進めやすく、またリスト漏れを防ぐことにもつながります。
カテゴリ分けをしたら、それぞれの備品の必要な数量を決めていきましょう。数量が決まったら、購入先や具体的なアイテムを決定します。予算と照らし合わせながら、予算オーバーがあれば、数量や購入先を調整しましょう。
備品の購入時期
お店の内装工事が終わったら、次は、設備や備品を搬入する段階です。
お店のオープンに備品が間に合わない、などというトラブルを防ぐには、早めに手配を進めておくことが理想です。しかしながら、工事が終わって店内に搬入できる状態になる前に備品を手配してしまうと、別の保管スペースが必要になり、またそれを店舗に運ぶ手間もかかってしまいます。
手配のタイミングとしては、店舗に直接配送できる段取りが望ましいといえるでしょう。とはいえ、直前に慌てて手配を進めると、欠品や手配漏れなどが生じる可能性がありますので、備品リストの作成は、開店の数か月前から進めておくことをおすすめします。
飲食店の備品の選び方
料理を提供する際に利用する食器やカトラリーは、メニューや料理の提供方法によって異なります。備品を決定する前に、付け合わせも含めたメニューの詳細や提供方法を決めておく必要があります。
たとえば、
- ハンバーグのソースやサラダのドレッシングをかけた状態で提供するのか、別添えにするのか
- ランチのメニューを、ワンプレートで提供するのか、お盆に乗せる定食スタイルにするのか
- ドリンクやお水をセルフサービスとするのか
などによっても必要な食器や備品が異なります。
食器の決め方や数量の目安
食器は特に、お客様の目に触れる時間が長く、そのうえ料理の演出にも重要な役割を果たしますので、お店のコンセプトや料理に合った見た目のものを選ぶ必要があります。複数の料理が同じテーブルに並ぶこともありますので、統一感やバランスも意識する必要があるでしょう。
用意する数量は、主力商品に使う食器やカトラリーは、客席数の1.5~2倍程度用意しておくことが望ましいです。混雑する時間帯には、洗い物をする人手もままならないこともあるでしょう。食器が足りないがために商品を提供できない、お客様をお待たせする、などの事態になるのを避けるためにも、多めに用意しておくとよいでしょう。
また、割れ物の食器は破損リスクもありますので、予備としても多めにあると安心です。
飲食店に必要な備品リスト
飲食店に必要な備品は、具体的にどのようなものなのでしょうか。必要な備品はお店によっても異なりますが、ここでは、多くの飲食店で共通して必要になる備品を中心にご紹介していきます。
食器類
- 皿(大・中・小)、角皿、深皿、パスタ皿、薬味皿
- 椀(汁椀、茶碗)
- カトラリー(ナイフ、フォーク、スプーン、箸、ティースプーン)
- グラス(ジョッキ、ワイングラス、コップ、ティーカップ、湯呑、徳利、お猪口)
- 子ども用(皿、椀、コップ、スプーン、フォーク、箸)
- その他(箸置き、ストロー、割りばし、コースター、カトラリー入れ、お盆、ワインオープナー)
提供する料理や飲み物に合わせた食器が必要です。客層にファミリー層を想定している場合は、子ども用の食器もあるとよいでしょう。
卓上用品
- メニュー表、メニュー立て、伝票立て、呼び鈴
- テーブルクロス、テーブルマット
- おしぼり、おしぼり置き
- 紙ナプキン、紙ナプキン立て
- つまようじ入れ、調味料入れ
客席に常備する備品や消耗品なども必要です。これらもお客様の目に触れる時間が長く、利用頻度も高いものですので、お店のコンセプトと統一感がある見た目で、且つ実用性もあることが大事です。
厨房備品・調理器具
- 調理器具(フライパン、鍋、包丁、キッチンバサミ、ピーラー、缶切り、まな板、菜箸、トング、お玉、ボウル、ザル、はかり、計量カップ、軽量スプーン、泡立て器)
- 保存用品(タッパー、サランラップ、ビニール袋)
- 消耗品(アルミホイル、キッチンペーパー、手袋、洗剤、消毒液)
厨房で使う調理器具や備品は、お店の業態によって必要なものが大きく異なります。仕込みや同時に調理するものなどを踏まえて、必要な数量を用意しましょう。
トイレ周り
- 必ず必要な備品(トイレットペーパー、ペータータオル、ゴミ箱、ハンドソープ、サニータリー袋)
- あると喜ばれる備品(マウスウォッシュ、消臭スプレー、壁掛けの鏡、油取り紙、綿棒)
トイレ周りが清潔であることと快適であることは、お客様の満足度やお店の評価に大きく関わるポイントです。必ず必要になる消耗品のほか、客層によって、あると喜ばれるアイテムも揃えるとよいでしょう。
トイレは消耗品も多いため備品の使用ペースを把握し、開店後は、補充漏れがないように気をつけましょう。
清掃用品・消耗品
- 清掃用品(食器用洗剤、スポンジ、たわし、漂白剤、ハンドソープ、雑巾、モップ、ちり取り)
- 感染症対策用品(除菌剤、アルコール消毒液、)
- レジ周り(レシートロール、伝票、文具、電卓、つり銭トレー、サインバインダー)
厨房、客席、トイレ、それぞれの清掃用品とレジ周りの消耗品や文具なども忘れずに用意しましょう。
その他店内備品
- 店内備品(傘立て、マット、荷物入れ、ブランケット、ハンガー、コート用のラック)
- テイクアウト用の資材(紙パック、紙のカトラリー、ビニール袋、おしぼり)
- 従業員用の備品(ユニフォーム、エプロン、三角巾など)
その他、お客様が使う傘立てやハンガーなども、サービスの質を高めるためには重要です。テイクアウトに対応している店舗では、商品を梱包するための資材も必要になります。
従業員の制服なども予め発注しておく必要がありますので、お店のコンセプトに沿って準備しましょう。
まとめ:備品購入も計画的に
今回は、飲食店に必要な備品について解説しました。
備品はお店をスムーズに運営するための必需品です。お店がオープンしてから、「あれがない」「これがない」と慌てることにならないように、購入前に備品リストを作成して、計画的に用意しましょう。
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