知らないと損? 売上アップやコスト削減につながるモバイルオーダーの活用法

コロナ禍を契機に、モバイルオーダーを導入する飲食店が増えています。モバイルオーダーとは、お客様がスマートフォンでメニューを確認し、注文するサービスです。サービスが広がった背景には、外食業界の人手不足があります。実際、モバイルオーダーを導入した飲食店からは「オーダーはお客様が行うためスタッフは接客に集中できる」や「お客様がスタッフの忙しさを気にせずオーダーできるので客単価が上がりやすい」といったメリットがよく挙がっています。

日本は人口減少社会に突入しており、今後も人手不足がさらに深刻化するでしょう。モバイルオーダーの活用も、その流れに合わせて、さらに盛り上がっていくでしょう。今回は、モバイルオーダーが飲食店の経営に与える効果と、効果的な使い方について解説していきたいと思います。

モバイルオーダーの導入による5つのメリットとは

モバイルオーダーの導入には、以下の6つのメリットがあります。それぞれ詳しく解説します。

①売上アップに貢献してくれる

モバイルオーダーを導入することで、機会損失を劇的に減らすことができます。追加オーダーをしたくても、スタッフが忙しく働く姿に遠慮をしてしまい、諦めたという経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。モバイルオーダーなら、そうした事情に関係なく、お客様の好きなタイミングでオーダーができます。また、特に居酒屋などでは、飲み始めるに連れて、メニューがグラスや料理の下敷きになってしまうことが珍しくありません。そうなると追加オーダーを諦めてしまう方もいますが、モバイルオーダーならスマートフォンでメニューが表示されるので、その心配がありません。細かな機会損失を防ぐことで、客単価が上がり、結果として、多くの導入飲食店で売上の増加につながっています。

②スタッフのレベルに左右されない

モバイルオーダーだと、忙しい時間帯でもお薦め商品を、しっかりと案内してくれます。人のようにスタッフの習熟度や気分によって、案内をし忘れすることがありません。勧めたい商品の導線を適切に作ることができたら、お店側は狙ったものを売ることができます。また、スタッフはしっかりとお勧めを伝えたものの、お客様が友人や同僚との会話に夢中になっていて聞いていなかったということも多いです。その場合でも、スマートフォン上でお勧めを確認し、しっかりとメニューの魅力を理解した上でオーダーしてもらうことができます。

③サービスレベルが向上する

モバイルオーダーについては、スタッフがシステムに頼ってしまい、サービスが低下するのではないかと懸念する方もいるかもしれません。しかし、多くの飲食店ではその逆の現象が起きています。オーダーテイクをシステムに任せることで、スタッフが付加価値のあるサービスの提供に集中できるようになっています。例えば、オーダーを取りに行く必要がなくなったことで、今まで以上にお客様を観察しやすくなり、困ったことがあればすぐに対応できるようになったという飲食店も多いです。また、自店の業態を活かして、カゴいっぱいの野菜を持って客席を巡るイベントを行うお店もあります。「オーダーの取り方がすばらしかったから、リピートしよう」とはなかなかなりません。しかし、「おもてなしが素晴らしかったから、また行きたい」「イベントが面白かったので、友人にも勧めたい」と感じることは多いです。

④シフトが組みやすくなる

オーダーを取りに行く必要がなくなると、ホールの業務が簡略化します。そもそもオーダーを取る業務は非常に負担が大きいです。メニューを全て把握してないとお客様の元に行けなかったり、キッチンにオーダーを通すことができなかったりと、覚える必要のあることもたくさんあります。しかし、モバイルオーダーを導入することで、ご案内や料理の提供、バッシングなど、やるべき業務が絞られます。その結果、それぞれのスタッフの得手不得手の差もなくなり、「ホールが得意なあのスタッフがいないと」といったことがなくなり、シフト作成の悩みが解決されます。昨今、人手不足で、必ずしも能力の高い人材を確保できるとは限りません。それでもお客様満足度を高めるようなサービスを実現しなければならず、その実現に悩んでいる飲食店も多いでしょう。モバイルオーダーを導入すると、オーダーテイクを削減する以上の効果があり、店舗運営に与えるインパクトはとても大きいです。

⑤フードコストのコントールが柔軟にできる

紙のメニューだと、差し込みメニューをつくらないとお勧めの料理を売ることができません。全卓分の差し込みメニューを作成するのは手間と時間、そして金銭的なコストもかかってしまいます。しかし、モバイルオーダーだと、サービスによってはスマートフォンで写真を一枚撮影できれば、お薦めとして販売することが可能です。もし欠品が起きた場合も、紙のメニューだとそれぞれのテーブルにあるメニューを全て変えないといけません。一方で、モバイルオーダーなら表示を変えるだけで済むため、非常に手軽です。逆に、食材が余っている食材があったら、それをお勧めのメニューとして打ち出して、その日から売り出すこともできます。売りたいときに売りたい料理を勧められるので、ロスを防ぎ、フードコストのコントロールもスムーズに行えます。

⑥インバウンド客の集客にも役立つ 歴史的な円安の影響もあり、日本を訪れるインバウンド客が非常に増えています。インバウンド客は客単価が高く、集客ができるとお店の売上アップを期待できますが、言葉の壁があり、うまく接客ができないというケースは少なくありません。しかし、モバイルオーダーなら、日本語の他に、英語や繁体字、簡体字、韓国語などに対応しているサービスあるため、スマートフォンでメニューを読み込んでもらうことで、オーダーが可能です。中には、会計まで行えるサービスもあるので、難しいコミュニケーションを取らなくても、インバンド客を集客できる環境を整えることができます。

モバイルオーダーは次世代の経営の必須?

モバイルオーダーの導入では、お客様の反応を気にされる飲食店がとても多いです。しかし、結論からいうと、多くのお客様がスムーズにモバイルオーダーを使いこなすことができます。また、飲食店側でも、必ずしも全てのお客にモバイルオーダーでの注文をお願いしているわけはなく、抵抗のあるお客にはこれまでと同様にスタッフが注文を伺っています。特に、年齢層が高くなると、モバイルオーダーをうまく使いこなせない方が珍しくありません。そこでお客様を席に案内した後のタイミングなどで、モバイルオーダーと併せて、スタッフが注文を伺えることも伝えている飲食店が多いです。

最近では、人手が足りない場合にスキマバイトサービスを利用するのが一般的になっていますが、それだけでは根本的な解決にはなりません。モバイルオーダーを活用すると、オペレーションを変革させながら、既存のスタッフを最大限に引き出すことができます。そうした取り組みが強い店づくりにつながっていくのは間違いありません。

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