集客効果を最大化するTikTokのうまい活用術
飲食店の集客にTikTokをどう活かす?
集客効果を狙った販促を考えるとき、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSは今や欠かせない存在となってきています。SNSでバズった投稿がきっかけで話題を集め、一気に売上げを上げた店の話題もよく聞きます。最近では飲食店を探す際の検索ツールとして、グルメサイトではなくSNSを活用する人も増えており、いかにSNSを集客に活かせるかが、売上げを左右するまでになってきています。それだけSNSは、飲食店の集客と密接につながっているといえるでしょう。
中でも若い世代の利用率が高いSNSがTikTokではないでしょうか。TikTokは2016年に日本に上陸した、中国発の音楽動画コミュニティアプリです。15秒の短い動画投稿が特徴で、スマホサイズ(縦長)の短尺動画は没入感があり、10〜20代を中心にユーザー数を伸ばしています。近年ではユーザーの平均年齢は上がってきているものの、依然として若者に強いSNSとして、Z世代向けマーケティングにも活用されてきています。しかし、TikTokを使いこなせている飲食店は、まだまだ少ないと思います。
TikTokを投稿する際に注力すべきは、ユーザー目線に立った動画の作成です。例えば、ユーザーの感情に訴えるように、生声で感想やリアクションのナレーションを入れたり、コメント機能をオンにして相互コミュニケーションが取れるようにしたり、さらにはワンカットの尺を2〜3秒に短く切るなどの工夫を行います。
また、フォロワー数の多いインフルエンサーに撮影を依頼すれば、その影響力を借りた拡散も可能となります。インフルエンサーというと、有名な方に依頼した方がいいと考えるでしょう。しかし、そうした方に依頼すると、かなりの高額な報酬を支払わなければならないケースもあり、採算が取れなくなってしまうかもしれませんので注意してください。
バズるメニューや人の重要性
TikTok販促を行う前に、まず最初に映えるメニューの開発やスタッフの個性を引き出すといったことにチャレンジしてみてください。例えば、チーズが滝のように流れるピザやグリル料理、ぷるぷると揺れる様子が可愛らしいパンケーキ、商品メイクを間近で見ることができる鉄板焼など、動画で見ることを意識したメニューはいかがでしょうか。もしくは、高さ◯cmのパフェやエビフライなど、見た目にインパクトがある商品もいいでしょう。
メニューだけでなく、働くスタッフでバズる飲食店も少なくありません。東京・新宿の「一億円で居酒屋建ててみた。億万鳥者 新宿本殿」は、店長が顔出ししたTikTokを投稿することで、店長にファンがついています。飲食店の店長が“推しキャラ”になっている好例といえるでしょう。投稿内容はお店の紹介だけでなく、店長の出勤退勤ルーティンなど、個人にスポットを当てたものも。これにより、店長目当てに来店するお客様も少なくなく、集客のフックになっているようです。
また東京・荻窪、駒込、西巣鴨で「焼鳥どん」 を経営するオーナーは、TikTokerとしても知名度を上げています。オーナーが投稿するのは、「飲食店あるある」をテーマとしたネタ動画です。くすりと笑える動画を、とにかく毎日継続することでオーナーにファンがつき、会ってみたいと実際に来店するお客様も多いようです。事実、Google検索のサジェストに焼鳥どん とオーナーの名前を入力すると、サジェストに「会える」「どこ」「出勤情報」などが出てくるほど、会いたいと思う人は多いようです。こうした人に焦点を当てた投稿は、集客に結びつくだけでなく、「この人と一緒に働きたい」「こういう雰囲気の店なら働けそう」といった気持ちになるので、採用につながりやすくなります。
しかし、いくらTikTokでバズったとしても、お店の情報を調べてみたら、グルメサイトやGoogleビジネスプロフィール(Googleマップ)の情報が更新されていなかったなんてことになっていませんか。TikTokを見てせっかくわいた興味も、詳細を検索していくうちに失せてしまうかもしれません。そこでグルメサイトやGoogleビジネスプロフィール上で、しっかりと自店の情報を掲載しておくことが、TikTokの投稿以上に重要となります。
グルメサイトやGoogleなどは口コミサイトでもありますので、ネット上でさまざまな人がお店を評価しています。その評価を確認するためにも、定期的に情報を更新し「行ってみたい!」と、最終的に背中を押してくれるサイトに育てておきましょう。これにより、TikTokの効果を最大化でき、お客様の取りこぼしを防ぐことができます。
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これからの飲食店の集客手法は、グルメサイトからTikTokをはじめとしたSNSへと移行していくと予想されます。そうした時代の中「SNSは苦手だから……」は通用しません。もしネットが苦手ならサポート企業を活用するなど、やり方はさまざまあります。さらに、SNSに投稿するための撮影や編集時間を、本来の業務であるメニュー開発やサービスレベルの向上に費やすためにも、サポート企業の導入を検討することも考えられます。自社でSNSの運用まで完璧にやろうとすると、中途半端になり十分な効果が期待できなくなってしまう可能性もありますので、注意してください。