テイクアウト導入で売上アップを目指すためのポイント
時代が進むに連れ、飲食店のあり方が変化してきています。特にコロナ禍での緊急事態宣言や外出自粛の期間が長く、家で過ごす時間が増えました。それにより飲食業のテイクアウトやデリバリーへの需要が増えています。
スマートフォンアプリの普及やデリバリーサービスの拡充によって簡単に注文できるようになったことから、今後も市場の拡大は続いていくと予測されます。そのため、メニューにテイクアウト商品を準備しておけば認知拡大・集客にも大きく良い影響を与えられます。この記事では、現代の飲食店が生き残るためのテイクアウト対応に関する準備について解説します。
テイクアウトのメリット
テイクアウト商品を作るメリットを以下の5つの項目に分けて紹介します。
- 売上の増加が期待できる
- 効率的な時間管理が可能に
- 多様なターゲットにリーチできる
- 「ついで買い」の促進ができる
一つずつ紹介していきます。
1.売上の増加が期待できる
飲食店の売上は、店内だけで考えると席数や店舗の広さに縛られてしまいます。しかし、テイクアウトサービスを導入することで、席数に依存せずに商品を提供できるため、売上の増加を期待できます。また店内が満席状態でも、テイクアウト商品があれば、席が無くて帰ってしまうお客様の機会損失を防ぐことがで切るかもしれません。
2.効率的な時間管理
飲食店では、通常、サービスや料理の提供と消費が同時に行われるため、ピークタイムなどの限られた短時間に作業が集中しスタッフが対応しきれなくなることがあります。
しかし、テイクアウトでは注文の受付や提供時間をある程度調整できるため、お客様の満足度を保ちながら、調理や準備に余裕を持たせることができます。
例えば飲食店は、混み合う時間帯と来店数が少ない時間帯に差があることが多いですが、時間に余裕のでる、いわば「アイドルタイム」にテイクアウトの受付や準備が行えると効率よく売上アップになります。
また、予約販売であれば事前の仕込み量が把握できるため、食品ロスの削減にも効果的です。
3.多様なターゲットにリーチできる
テイクアウトは、「時間の都合で店内利用はできないけど、テイクアウトなら」といった人や自宅で食事を楽しみたい人、職場でランチを取りたい人など、多様なターゲットにアプローチすることができます。新しい顧客層を獲得するチャンスが広がります。
4.「ついで買い」の促進ができる
レジ前にテイクアウト商品をディスプレイしておくと視覚的にもアプローチしやすく、店舗利用の顧客やレジ精算待ちの顧客が去り際にお土産として商品を購入してくれることもあります。商品の回転率・流動性も良くなります。
テイクアウトのために準備しておくこと
「テイクアウトを始めよう」と思い立っても、準備が整っていないと進められません。まずは準備をすることから始めましょう。以下の5つの項目を紹介します。
- 必要資格の取得
- メニュー開発
- オペレーションの導線決定
- 備品類の準備
一つずつ解説していきます。
1.必要資格の取得
テイクアウトで商品を提供する場合、資格が必要な場合もあります。その理由は、飲食店での提供時と保存方法が異なる場合があるためです。
必要な資格に関しては管轄の保健所によって異なる場合もあるので、管轄の保健所へ確認しておきましょう。
2.メニュー開発
テイクアウトメニューは店内メニューとの併用も考えられますが、専用メニューを考えることをお勧めします。
店内飲食とは異なり、持ち運びに適した商品にすることで品質を保ちやすくなります。
例えば、デリケートな食材を使用した料理を避け、冷めても美味しい料理や、一品で満足感が得られる丼形式の商品などが考えられます。
3.オペレーションの導線・配置の決定
テイクアウトの準備には、調理、包装、ピックアップの各作業を行う場所を効率的に配置することが重要です。現状の店内サービスの導線を考慮し、可能な限り交差せず直線的な配置にできると、混雑を防ぐことができます。また、スタッフが迷わないように視覚的ガイドラインを設置することも効果的です。
4.備品類の準備
提供する商品に応じて専用の容器や使い捨てのカトラリー、持ち帰り用の袋を準備します。
● 容器:料理の大きさ、詰める内容物の量、厚さなど適したもの
● カトラリー:箸、スプーン、フォークなど
● 袋:紙製、ビニール製などの種類やサイズの選定
● おしぼり、紙ナフキン:食事前のお手拭きや食事後の清掃用
テイクアウト対応で注意するポイント
これまで述べてきたように、テイクアウトには大きなメリットがあります。しかし、注意しなければいけないポイントがあるのも事実です。こちらでは以下の3点に焦点を当て、解説します。
- テイクアウト向きのメニュー開発が重要
- 食品の品質低下が懸念される
- 業務負荷が上がる可能性がある
テイクアウト向きのメニュー開発が重要
先に述べたように、テイクアウトでは、持ち帰り後の品質を考慮したメニュー開発が必要です。料理が冷めても美味しく、容器内で形が崩れにくいものを選びましょう。例えば、丼ものやサンドイッチ、パスタなどは持ち運びに適しています。
食品の品質低下が懸念される
持ち帰り時間が長いと、食品の品質が低下する可能性があります。これを防ぐために、保温・保冷が可能な容器を使用し、包装の際に温度管理を徹底します。また、食品の酸化や乾燥を防ぐ工夫も必要です。
業務負荷が上がる可能性がある
テイクアウトの導入により、店内のオペレーションが複雑化し、スタッフの業務負荷が増える可能性があります。効率的な動線を設計し、スタッフの役割分担を明確にすることが重要です。
テイクアウトを始める前にしっかりと準備しよう
テイクアウトの導入は売上を増加させる大きなチャンスです。まずは少ない品数から始め、段階的にテイクアウトサービスを拡大してくのはいかがでしょうか。