融資獲得には準備が大事!創業融資の審査でチェックされるポイントは?
飲食店開業の資金調達には、金融機関からの融資をお考えの方も多いことでしょう。ところが、融資は申請したら必ず受けられるわけでもなく、希望の金額の融資を受けられないこともあります。無担保・無保証人で受けられる日本政策金融公庫にも厳しい審査基準があります。融資の審査を通過するには、準備や対策が重要です。
本記事では、融資を受ける際にチェックされるポイントや対策方法について解説してきます。
融資の申請は甘くない!準備が大事
融資を申請しても、事業の想定や計画が甘ければ、審査が通らず融資を受けられないケースも当然あります。ここでは日本政府金融公庫を一つの例として、審査のポイントを見ていきましょう。(あくまでも一般的に言われている審査観点であり、融資を保証するものではありません。)
日本政府金融公庫とは
日本政策金融公庫は、100%政府出資の金融機関で、個人事業主や中小企業の創業を支援しています。創業融資は無担保、無保証人で融資を申請することができ、一般の金融機関より融資を受けやすいことから、開業時の資金調達先として、多くの事業主が最初の選択肢として検討する金融機関です。
融資を受けるには準備や計画が大事
融資の審査を通過するには、実現可能な事業計画やその根拠となるデータ、自己資金、信用情報などのチェックポイントをクリアする必要があります。準備不足があると審査を通過できませんので、申請前に万全に準備をしておきましょう。
公庫の審査でチェックされるポイント
ここでは、日本政策金融公庫の審査でチェックされるポイントについて、解説していきます。ひとつずつ確認して、しっかりと備えましょう。
自己資金
融資の審査には自己資金が重要な審査項目です。
一般に、融資を受けたい金額の3分の1程度の自己資金を用意するのが望ましい とされています。また、金額の他に、自己資金の質も重視されます。
開業する本人の口座に、コツコツと貯めた自己資金がもっとも高く評価されます。開業に向けての計画性や本気度がうかがえるからです。
親族からの支援は、返済義務がないものであれば自己資金とみなされることもありますが、融資のために一時的にかりた資金は、自己資金とは認められませんので注意してください。
開業する業種での経験値
創業融資では、実績で評価ができないことから、開業予定の業種での経験値も重要視されます。必ずしも未経験がNGなわけではありませんが、審査を通過するのが難しくなるでしょう。
最低でも1年の経験を積んでおくことをおすすめします。
事業計画の妥当性
事業計画は、事業の成功見込みや返済能力を判断する材料になりますので、しっかりと作り込みましょう。
現実味のある計画で、売上予測や設備投資、原価率などの妥当性を総合的にチェックされます。具体的には、売上の根拠となる数字が出ているか、その根拠は説得力があるものか、設備投資と売上規模のバランスに矛盾はないか、資金の使い道は明確か、などが重要です。
日本政策金融公庫が公開している『創業の手引き+』 にも、業種ごとの原価率や人件費率の目安が記載されていますので、その目安と大きな乖離がないかご自身の計画と照らし合わせてみるとよいでしょう。
また、開業後、すぐに事業が軌道に乗ることは稀です。軌道に乗るまでには半年以上みておく必要がありますが、そのときの赤字を補填するための備えが出来ているか、軌道に乗るまでの計画に説得力があるか、なども重要なポイントです。
信用情報
融資を受けられるのは、貸したお金をしっかりと返済してくれる人に限られますので、信用情報は非常に重要な審査ポイントになります。
日本政策金融公庫は、信用情報機関のCICで個人の信用情報を調べています。過去5年以内に自己破産の債務整理をしたなどの状況があると、審査を通過するのはかなり難しい状況になるでしょう。また、過去2年以内に、複数回の支払い遅延、消費者金融からの借入などがあると、審査は不利になります。
公庫の融資では、水道光熱費の支払い状況もチェックされます。 水道光熱費などは、クレジット払いにしておくなどして、支払い漏れや遅延を防ぎましょう。
CICのホームページからご自身の信用情報を確認することもできますので、念のため融資の申し込みの前に調べておくとよいでしょう。
融資面談
日本政策金融公庫の創業融資では、必ず面談があります。面談も審査の一環となりますので、しっかりと準備をして臨みましょう。
面談では、創業動機や事業計画などから、人柄や事業に対する熱意を確認しています。本番で緊張して思うようにアピールできなかったなどということがないように、練習をしておくことをおすすめします。また、言葉遣いや態度、服装などから社会性もチェックされていますので、意識しておきましょう。
認定支援機関を利用して専門家のサポートを受ける
他には、認定支援機関を利用して融資を受ける方法もあります。日本政策金融公庫の「中小企業経営力資金」は、認定支援機関を利用しないと申し込めない融資制度で、自己資金の要件がなく、融資限度額は新創業融資より高く設定されています。
加えて、事業計画書等の書類作成のサポートなどが受けられ、面談に同行してくれるケースもあります。初めて開業する方にとっては、金融機関の対応や書類の作成は不慣れなことでもありますから、専門家からのサポートが受けられれば、融資獲得の可能性を高められることもあるでしょう。
ただし、認定支援機関を利用するには費用がかかります。機関によって専門分野や報酬体系も異なりますので、その点はよく調べてから依頼するようにしてください。
まとめ:融資を受けるには準備が大事!チェックポイントをおさえよう
今回は、融資の審査でチェックされるポイントや通過するための対策について解説しました。融資を受けるには厳しい審査を通過する必要があります。準備不足の状態で融資を申請しても、審査を通過できませんので、万全の準備で備えましょう。
事業計画書を作成する際は、専門家のアドバイスがあると、よりレベルの高い計画ができます。オミセクラフトでは、開業アドバイスも受けられますので、ぜひご利用ください。